脱衣症候群
「みゅーの解析結果みゅーアスモは危険を察知すると全裸になるみゅーこれは自身の防御の為魔王アスモディウスの解放を無意識のうちに促しているからだとおもうみゅー」
「いままで こんなことはなかったんでございますわよ」
ナベちゃんはアスモを抱き寄せながら不思議な顔をしている
「きっと らみのアスモの封印はラミスの封印と微妙に違うみゅー それでこんなことになってるかもみゅー」
「らみ 今はアスモ様の裸のことより眼の前の触鬼ですわよ アスモ様ここでじっとしておいてくださいませ」
ナベちゃんはアスモの両肩をぐっと押してここにいるように言った
「うん ごめんね 僕いい子にしてるからね」
アスモは岩場の影で体育座りになった
私とナベちゃんは顔を見合わせると触鬼にむかって2方向から飛び出した
ナベちゃんと同時に鞭をくりだすと触鬼の右の触手、左の触手の一本ずつにからまったが触鬼は絡んだ触手を自ら切り落とし別の触手で私達の足をからめとった
そして私達を自分の頭上にもちあげたまま岩場でこちらの様子を伺っていたアスモに近づく
「こっちに こないで らみおねえちゃん たすけて」
触手によって逆さ吊りになっている私は下着が丸見えだがそれを恥ずかしがっている余裕もアスモを助ける余裕もない
「こっち ・・・こないで こっち・・・こないで」
アスモは泣きながら触鬼に懇願する
「こっちに こないで くるな くるな くるなっていってんだろー」
突然アスモのまわりに強大な魔気が現れた
「呼ばれてないけどバビババーン」
旧魔王アスモディウス(成人向け)があらわれた
「あれぇ なべちゃんとねえちゃん今度は吊るされてんの ねえちゃんぱんつーまる みえ」
アスモは手を叩いてVサインのあと丸を指で描き遠くを見るジェスチャー
「きゃー みないでー てか たすけてー」
触鬼の触手に振り回されている私はパニックった頭のまま魔法を詠唱してみる
「はばばばば ハバネロソース」
触鬼の顔に向かって緑色の液体が飛び出した
「グハァ ゴアラララ」
私の緑の液体攻撃を食らった触鬼は人間の手でしきりに目のあたりを押さえ苦しみだした
そして触手の少しの緩みを感じた私とナベちゃんは触手を鞭の柄の部分で叩き拘束を解いた
「うーん いいタイミング いいよいいよ君いいよ ナベちゃんねえちゃんちょっとそこ避けてて いくぞー」
全裸のまま腕まくりのポーズを決めたアスモは腕をブンブン振り回しながら触鬼に向かって走り出す
「ねえちゃんナベちゃん ご褒美はちゅーねー あーゆーおーけー アスモー らりあっと」
ズガーンという音とともに触鬼の首にアスモのラリアートが炸裂、触鬼はアスモの腕を支点に一回転した後岩に叩きつけられ霧散した
「つ つよい」
「はい 終了 からのー ご褒美ターイム まず ナベちゃん」
アスモはナベちゃんに近づき首筋に指を這わせる
「ああ アスモ様 どうぞ」
(うわー なべちゃんうっとりしてるー)
アスモはナベちゃんとのひとしきりの行為を楽しんだあとこちらを向く
「ナベちゃん あの娘は」
「ああ 紹介してなかったですわね ラミス様の娘らみですわ」
ナベちゃんは衣服の乱れをなおしながら眼鏡に手をやる
「ああん ラミスの娘だー いつできた ラミスはどこいきやがった まぁいいやー らみーこっちきてご褒美のちゅーしてくれー」
そういいながら口をタコのようにして近づいてくるアスモ
こちらも一応お礼のつもりで口をタコのようにして待っていたのだがやはりだめだこんなシュチュエーションでファーストキスはありえない
「やっぱり ダメー アスモトゥクローズ」
「えー そんなー らみー そんなー」
アスモはそう言いながらまた小さな男の子に戻りパタリとたおれた
私はアスモを抱き起こすと額にそっとキスをした
「アスモありがと」