鞭振って魔王が溜まる
ナベちゃんからの伝言を使い魔から聞いたアガレスちゃんはカンナさんを魔王の影武者に据え温泉地の山の中で隠れている私達と合流した
魔王玉座でアガレスちゃんをめんどくさそうに真似をしているカンナさんの様子が目に浮かぶようだ
一方魔王の直轄地で触鬼と内通し不正を働いていたスペランクは自分の雇った族達が私達のところから帰らないことを不審におもい
手下を増やし私達の捜索に乗り出したようだった
「ここでこうしていてもいてもダメでいけないのです アガレスがきたからもう大丈夫で安心なのです この魔王アガレスの領地でこの裏切りで策略許して許しておけないのです」
岩の窪みに身を寄せる私達に怒りをあらわにしているアガレスちゃんが拳をにぎりしめた
「作戦の作戦を発表するのです まずアガレス達は固まって団結して宿屋の玄関へ向かって向かいます 敵が出てきたらやっつけて
やっつけてみてみるのです」
(えー それって正面突破じゃないですか)
宿屋正面まで来た私達にスペランクの手下たちが取り巻く
「さ らみ いきますわよ ちょっと借りますわよ」
なべちゃんはそう言うと私の肩からみゅーを取り上げると呆れ顔のみゅーを掲げた
「ええい ひかえーい ひかえーい ここにいるのは旧魔王アスモディウス様 旧魔王ラミス様の娘らみ 現魔王アガレス様であらせられるぞ 命がほしいものはこの場でたちさるがよいですわ」
その時みゅーが虹色の光を発する
「あら ステキだわっ みゅーちゃんアップグレードしてますのでございますわね」
ナベちゃんがみゅーと顔を見合わせる
「おい 魔王だっていってるぞ」
スペランクの手下達は動揺したふうにも見えたが一人の男が大声で叫ぶ
「お前ら 馬鹿かぁ こんな変な格好した娘達が魔王なわけねえだろうよ 」
( ああ アガレスちゃん やっぱりこの世界でこの制服はおかしいんだね)
「しねやぁ」
そういって飛びかかってきた男の尻にナベちゃんの鞭が飛ぶ
「石は死んで死んでいるので動かないけど石は石の意思をもち飛んで飛び出すのです」
アガレスちゃんがそういうとまわりの石が一斉に宙に浮き一瞬止まったか思うとマシンガンの玉のようにスペランクの手下たちに向かって打ち出された
その石はまさに意思をもったもののように手下たちを襲いほぼすべての手下たちを行動不能とした
「おやおやナベンナ様助っ人ですかな あの状態からよく逃げ出すことができたものだ あなたからきてくれるとは探す手間がはぶけましたよ」
宿屋から余裕をみせながら出てくるスペランク
悲しいかなスペランクはアガレスちゃんの顔を知らなかった
「それで その小娘がなにかしてくれるのかなぁ 先生 先生こいつらやっつけちゃってくださいな って あれ」
スペランクは中から出てくるはずの魔道士が出てこないことをふしんにおもった
「お お前ら少し 待て」
私達にそう言い残し宿屋にまた入る
「先生 こんなとこにいたんですか さあ あいつらやっつけてくださいよ」
玄関はいってすぐの袖に魔道士はうずくまって泣いていた
「ス スペランク お前 あれと戦えというのか 魔 魔王だぞ 殺される いや 殺されるだけならいい 生きたまま石にされてしまうぞ」
「へっ?」
急に血の気が引いていくスペランク
「あいつらが言ってることが本当ならば後2人も魔王因子保持者 もうあきらめたほうが....」
魔道士が泣きながらアガレスに訴えると2人がうずくまっているそのすぐ後ろで声がする
「もしもし わたし アガレスちゃん 今 お前のうしろのうしろ」