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カレンが行く!<前編>

公爵自体もプリンスと呼ぶ事が有りますが、公爵の娘もプリンセスと呼ばれる事が有ります。プリンセ・カレンの呼び方でも、不思議はありません。

 

<ローヌ・イズコールが終わって>





「う・・・・・・、」




「ああっ・・・・・・、ううっ・・・・・・。」




「はあ〜・・・、ふっふっふ〜〜〜っ。」




 "な、に・・・、だ、れ、の、こえ、だろう・・・。"


 エンフォートの夏は、陰に入ると涼しい。夜も、同様だった。明け方に帰って、ふわっふわっと温かいムームーに包まれて幸せ気分で寝ている俺の意識に、誰かの苦しげな喘ぎが忍び込む・・・。


 それは、足元から這い上がるようにも、耳元で呻くようにも聞こえた。俺は、朝日が登る前の薄暗がりの中で、足先の方の部屋の隅に蟠る(わだかまる)、黒い影の形を訝しむように睨んだ。


 天蓋のカーテンは、ベッドの主人が寝ているのに何故か開かれて、ヒューヒューと吹く風に(もてあそ)ばれ(なびい)ている。カーテン全開なので、この部屋が何時もの別邸の寝室ではなく、新しく充てがわれた本館の俺の部屋なのは了然としていた。


「だれ!何で、そこに居るの?」聞いても返事はなく、ソレがまた喘ぎを繰り返す・・・。俺は昨日、別邸からこの本館に居を移したばかりだ。事情が分からない場所で、そんな変わった事が起これば不安にもなる。


 下働き(メイド)?側仕え?執事とか、まさかリーラで具合が悪い?とか、少し心配になった俺は、側仕えを呼ぶのも(もど)かしくベッドから飛び降りると、「大丈夫?」と声を掛けながら不用意にソレに近寄った。


 "ガッ!"抱き起こそうと腕を伸ばした瞬間に、手首を強く掴まれて、「ひっひっひっ・・・、つーかまえた。た!」「何をするの!離して、お願い。」振り解こうとして、腕に力が入らない。ダメだ、この掴まれた手首から、体内の大事な力が失われて行く。俺は、膝から崩折れる。


「や・・・、め、て、」心の中で、"これ以上、俺にさわるな!"と言えば、「へっ、へっ、これは、じじい共が、が、祝福を、を、躊躇(ためら)う訳だ。だ。」と、男なのか女なのか、分からないが吃音(きつおん)まじりの嗄れた(しわがれた)(=かすれた感じ)声が響いて、「な、 んの、、、こ、と、」そう喉から声を絞り出して問うと、ソレは被った布を頭から脱ぐ。


「ひぅ・・・。」俺は思わず、喉奥に悲鳴を詰まらせた。ソレは、それほどに禍々しく邪悪な笑みを湛えた姿、美貌の若者の顔の半分はなく、半分は骸骨が剥き出しだ。


 輝く顔は、俺と同じ紫瞳(バイオレットアイ)に、鏡の如く反射する金のプラチナブロンドで、反対側の骸骨の顔は、キメの荒い白の骨が剥き出しで、美しさを感じた髪も、こちら側はバサバサで(まば)らなんだ。子供が、悪夢で見る怪物そのものだよ。


 中身が大人の俺でも、面喰らって嫌悪感を抱くわ。自分の手首を見ると、掴んでいるソレの腕も骸骨だ。そこから、体内の何かを吸われて力が出ない。夢か(うつつ)か、顔の半分が骸骨でも音抜けがしていない不自然さを不思議にも思わなかった。


 これはヤバな、危ないと思えば、「きぇーっ、へっ、へっ、ほぅ、怖気ぬ、ぬか?ぬか?」ソレが、悪夢に相応しく狂笑まじりに、軽く驚いた言葉を投げる。


「どれ、どれ、美神剛(みかみたける)だ、だな。な。今は、カレンか。か。ほぅほぅ、前世と現世が、が、もう混じり始めて居るな。な。(いき)がいいのでな、な、ついマナを抜き過ぎる所だったわ。わ。」ソレが、手の力を緩めて来たので、慌てて振り解く。


「あ、なた・・・、だれ、なの?なに、が、もく、てき、で、こ、こ、に、いる、の?な、ん、で、わた、し、のぜん、せを、しっ、てるの?」腕が震え、意識を集中させないと膝が笑う。


「これはこれは、は、なかなか美味いマナだな。な。」ソレは、舌舐めずりしながら独り言を呟き(つぶやき)、俺の方を見る。狂った瞳は、焦点が合っていないので、俺を見ているようで誰も見ていない。


「我か?我々か?我か?我々か?我か?我々か?異界からの来訪者よ。よ。」"???''質問に、質問で返して来やがった。


 俺は、まだまだ息が整わず、ソレの質問の意味も不明で困惑していると、「ふむ、まあよい。い。我は、我々は、名前の秘された最も偉大なる神々ん。ん。なに、ジジイ共が、動揺したのが面白くてな。な。その、の、原因に、会いに来た。た。我に、我々に、美味なるマナを献上してくれた礼に、に、道をつけてやろう。う。」


 正気(まとも)なのか、それとも狂っているのか、微妙に答えがズレている。それよりも、こんな禍々しいモノが神々?そんな事を考えていると、ソレは返事を待たずに、俺の額をまとも(・・・)な方の手で包むように掴むと、手の平から何かの力が俺の内を目指しているのが分かった。


 俺は思わず、頭を振ってソレから逃れようとするも、こんどは本格的に体に力が入らず、額を摑まえる手の為すがままになった。「や・・・、めて・・・・・・。」俺が、最後の抵抗の意思を見せると、「お、恐れるな。な。我が、祝福を受け入れるがよい。い。我、我々が、祝福するのは、は、滅多にないこと、と、」ソレの声は、声に温度が有るとしたら冷たく肺腑を貫く氷の温度、冷たさに体が痺れてくる。


 意識も徐々に遠のいて、「忘れるな、我が名はオズトロット。其方が、必要とした時にこの名を思い出せば良い。愛し子よ・・・。」遠のく意識の残像に、どこか温かな言葉が忍び込む。



 〜〜〜〜〜



「あ〜、う〜。」


 次の日は朝から、二日酔いみたいに頭が重かった。寝不足?それとも昨日、寝る前に飲んだハーブティーが体に合わなかった?アルコール飲料じゃ有るまいに、まさかね。


 アルコール飲料で有ったとしても、最近のカレンが愛飲しているのは、水で薄めたブドウ酒だったりするので、それが問題とは思えなかった。実際、俺も()()()()したんだよ。まさか、幼児にアルコールなんて、所が、この世界の人間って日本人的感覚からすると、異様にアルコールに強いんだ。


 まー、公爵家のお姫様なら、井戸水から蒸留水や山から遥々(はるばる)と飲み水を運ばせる手も有るのだけど、母ちゃんが飲み水くらいで大げさにしなくて良いで、一般的な飲み水になったわけ。


 ブドウってさ、表面に糖をアルコールに変えるカビが、元から付いてる果物なんだ。貴腐(きふ)ワインって、生きたブドウの表面に付いた貴腐菌ってカビで糖度と香りが増すから貴重品なんだぜ?


 そのくらいに、ブドウにカビは付いている。なんせ、糖度の高さじゃ、ブドウは果物界のチャンピオンだからな。だから、ジュースにして(ほう)って置くだけでワインになる。乳牛の乳に付いている乳酸菌も、ミルクの糖分を分解するのに付いているのと同じ構造だな。


 もちろん、お姫様が飲むブドウジュースは、完全なワインでは無いので、かなり甘めだよ。それを、薄めて飲んでるんだ。で、ブドウにカビが居るからって、アルコール消毒すんなよ。


 これは余談なんだけど、(たける)が友達同士で忘年会をした時に、雑菌が居るからって出て来る端から料理に消毒用のアルコールを吹きかけた奴が居てな。


 あれは、皆んなが怒って、そいつに払いは丸投げをして、そいつを除いた皆んなで場所替えして飲み直したっけか。味噌も醤油も(こうじ)というカビの副産物だし、抗生物質もカビの抗生体の抽出物。


 第一、そいつの腸内にも、大腸菌がウジャウジャ居るんだぜ?また、アレルギーは、現代社会の潔癖癖(けっぺきぐせ)が生んだ鬼子。乳酸菌の副産物であるヨーグルトが、アレルギーに良いのは体に良い菌と悪い菌が有るって証明みたいなもんだ。


 大腸菌にしても、善玉菌と悪玉菌が居て、善玉が居るから悪玉が増えない構造になってるんだ。潔癖症の人間はバイ菌が嫌いかも知れないが、潔癖症も大概にしないと友達を失くすよなって話だ。


 と、エキサイトして頭に血を巡らせると、頭痛がすっきりとして来た。やっぱ、これだよな。複数要因はあるけど、低血圧なんかで、頭に血が巡らないから頭痛が起きたりするんだ。


 今日は、プレテさん(まい)りから始めようかな。いちお、本館に移ったら割と自由に行動できるようになるんだ。


 父ちゃんは、プレテさんとの面会に関して忙しそうだし、行き先が行き先だから、そんなに厳重に許可取らなくても良いよね?見たら、結構、日が昇ってるから、執事(しつじ)のバローロに外出許可を貰おうーっと。


 ベッドで、モーニングなんて優雅な気分に成れなくて、早々にバローロに来てもらう。「おはよう御座います。バローロさん、昨日のルカ猊下にお会いしたいのですが、許可は貰えますか?」


「これは、お嬢様。おはよう御座います。お嬢様のご機嫌が麗しい所を申し訳ありませんが、ご意向の件ですが、普通は面会予約を入れてから参じるべき所です。それに、こんなに早々は、お止めになられた方が宜しいかと存じますが?」


「それは存じて居りますが、私、昨日頂いたお菓子がどうしても気になって、神殿で作って居られるならレシピを、購入されて居られるならその購入先を知りたいのですわ。」


 フッと、バローロの顔が(なご)んだ。お菓子なんて、子供らしい要求をと思ったのかしらん。「それならお嬢様、使いの者を差し向けて要件を伺うというのは、どうでしょう?丁度、お父上様との面会の件が有りまして、これと同時に要件を伺えば良いかと思われます。今日は昼に、お父上様、お母上様のご両人との大切な会食が御座いまして、特にお父上様はお嬢様との面会を心待ちにして居られます。猊下との面会に向かって、万一、昼の会食に間に合わない事態になれば、お父上様は落胆なさられると思います。」


「分かりました。それでは、バローロさんの良いように進めてください。あ、要件に関しては、出来るだけ昼までに内容を知りたいのですが、宜しい?」「は、用件を賜わりました。」で、バローロが静かに部屋を退出すれば、会食の(ネタ)所為(せい)で、意識的に忘れていた、もう一つの頭痛のタネを不意に思い出した。


 "はあー、はあー、はあー、あはっあはっあはっ"と、力の抜けた乾いた笑いが出そう・・・。チラッと、部屋の中を見る、見る、見る。色の濃淡こそあれ、どこもかしこも、見える所は、どきどき、どっピンク、、、。


 壁の腰までの立ち上がり部分の腰壁(こしかべ)のペンキから、壁紙から、天井から、ドアの内側から、ベッドやシーツに、天蓋のカーテンに、窓枠に、窓の桟木(さんぎ)から床まで、プリンセスピンク(プリンセ・ロセ)とでも名乗ろうか?


 天然染料のはずだから、紅殻(べんがら)に、骨粉(こっぷん)って所か、布地は知らん。ま、父ちゃんに取っては、娘は皆、プリンセスなのは分かるけど、次ぎの間の、おトイレの間やお着替えの間までピンク、ピンクと目がハレーションを起こしそうな。俺は、ネズミーランドのお姫様じゃないっつーの。


 一体、改装に幾らかけたん?母ちゃん知ってるん?母ちゃん、無駄遣い嫌うんだぜ。また、夫婦ゲンカのタネ売ってないよね・・・。


 これだけ、父ちゃんの期待値が高けりゃ、今日の会食をすっぽかしたら後が怖らしい(こわらしい)しかしなー、この世界の慣習(=たぶん、貴族と王族あたり)とは言え、可愛い我が子に洗礼まで会えないのも、また酷い(むごい)よな。


 だから、男親の愛情が、こうやって暴走するんだ。精一杯、お愛想でも振りまいて、可愛い娘でもアピールして置くか。



 〜〜〜〜〜



 昼食が終わって、部屋で優雅にティータイムを過ごしながら、プレテさんからのお返事の手紙を眺めていた。"プッ(笑)"しかし、父ちゃんの目、途中から完全なハート型になって無かった?アレだな〜、身の危険をそこはかとなく感じる。


 別に、襲われる分の身の危険ではなくて、抱きしめられて(あご)のジョリジョリで削られる身の危険だわ。いちお、知識としての護身術の心得は有るんで、サラッと華麗に受け流そう。


 やっぱ、神殿(アソコ)じゃ作って無くて、街中で買うんだ。また、バローロを呼んで意見を聞いたら、平民なら、呼び寄せるのが基本だけど、こちらから先触れを出して訪問するのも有りなんだそうだ。


 平民なら、別に予約(レセルワ・ティオン)は要らないそうで、ただ、先触れを出して向こうの受け入れ準備を整えさせる時間を与え無ければならないそうな。だから、使いを出して場所を確認してから前もって先触れを出した。


 無論、バローロの許可を貰って、護衛騎士と側仕えの準備も整えさせた。高位貴族のお姫様って、大変だよね〜〜〜〜〜〜。ちょいと行って、ヒョイと用事だけ済ます訳には行かないんだから、お姫様なんて辞めたいわ。なんて、ぶつぶつ・・・。


 "はあ・・・?''お着替えの間に入って外出着を探そうと思ったら、側仕えの侍女達から止められて、着付けも組み合わせも彼女達の仕事なんだって言われたよ。それに、多い多いとは思ったけどね〜、外出着だけで100着はあるよ。


 この時代、この世界で、貴重な布子が、子供用でサイズが変わる服が100って・・・、頭痛が痛い。俺は、母ちゃんナイズされてるし、前世が庶民なんで(^_^)お貴族センスっつーか、父ちゃんセンスに脱帽ですわ。どこまで、娘スキーなんだか。



 〜〜〜〜〜



 このサラザードは、三重城壁と三重の堀割りに囲まれている。まず、中心となる領館グラン・ブルンに城壁と堀切が為され、つぎに、貴族館や官舎が立ち並ぶ中心街区のヴァン・センヌと、平民街区や商工業街区を隔てる城壁と堀割り。


 サラザードを守る最外縁の城壁と堀は天然の地形に手を加えていた。領都近くを流れる大河モン・ビヨンヌは、大河に相応しく蛇行して沢山の中洲と支流を抱えているが、その蛇行を利用して、サラザードの街と外堀が作られている。


 神殿は六ヶ所有って、プレテさんが住む中央神殿だけがヴァン・センヌに在り、他は平民街区に散らばっている。俺が目指す菓子職人の店は、東側の平民街区の裏通りに面していた。


 それにしても、高位貴族のお姫様のお拵え(おこしらえ)って、平民街に出向くだけで大型馬車が3台、御者に従僕が各馬車の外に4名、騎士が30騎あまり、中には側仕えとメイドが約10名、今は教育係のリーラと、主人(あるじ)の俺が入って、総勢50は超えるぜ。


 まったく、ちょっとした大名行列だな。コンビニが懐かしい。普段着に、ちょいとサンダルを突っかけて、菓子とジュースを買いにコンビニに行って来るわって叫んでた頃の気軽さって、結構ぜいたくだったんだわ。


 大型馬車って、パニエの貴婦人2名がゆったり乗れるくらいの車幅がある。前後の座席に4人は乗れる馬車へ、俺とリーラと、話し相手の側仕えのリュミエラと、ジョーヌの2人が乗る。


 それにしても、俺の周りの乳母にしても、側仕えの女性にしても、見栄えで選んでるんじゃないかと邪推するくらいの美女軍団だ。リーラは平民出身だが、もともと婚家が名誉爵である巡爵(バロネス)を受けている為に家名のブロンピュールを許されている。


 リーラ・アソエ(=巡爵(バロネス)の尊号)・メダイッレ・ブロンピュールが正式な名前だよ。家名前のメダイッレとは、騎士爵と同じ一代貴族の扱いで勲爵(くんしゃく)となる。


 他の馬車に、イボンヌ、エテルネルの俺の身の回りや力仕事専門の側仕えが乗り、メイドで毒味役のドゥースも同乗する。毒味役は、メダイッレが与えられ教育係と同じ扱いになる。


 メイド達は、また別の馬車に乗った。この側仕えの少女達も、準男爵(バロリア)以上の低位貴族家の出身で、行儀見習いも兼ねて公爵令嬢(デュエンファン)に仕えているわけ。ま、結婚するまでの箔付けかな?


 アイテシアの爵位制度は、公・侯が高位、伯・子が中位、男・準男が低位貴族と呼ばれてマ法が使える者達の爵位となる。大公、辺境伯は名誉位であって、同じ爵位でも一段上の陞爵(しょうしゃく)扱いになる。ドゥヌブや、身分爵号(=俺の場合はデュエンファン)を名乗れるのは、準男爵家以上になるんだそうな。


 元の世界でも、そもそもの爵号の話で言えば、爵号とは、その領有する領地の広さ、事情により爵位の格が決められて居たんだ。


 このアイテシア王国では、少々異なる事情も加わるが、つまり、領有する領地の自治権は領主の物となる。ところが、世襲制になって代替わりを続ける内に忠誠心は薄れ、王などの中央政府の意向に逆らったり、先の見えぬ愚昧さから外国からの調略を受けたりする。


 大インドのムガール朝を、あの気の遠くなるような遠方からイギリスが倒せたのは、沢山の藩王国を抱えたインド側の非統一性が指摘されている。結局は、イギリスの植民地と化し、インドは長い苦しみに遭う(あう)事になるのは別の話だが、地方分権も行き過ぎると、とんでもない結果を招く実例だな。


 このアイテシアでは、王国人の不倶戴天の敵、南東のサマルカンド帝国が有るから纏まりが良いと言える。


 北のガゾンブリア連邦国家群に調略を受けたり、帝国東の小国家群の(くちばし)を挟ませない為には、統一国家感を持つのは重要だ。


 アイテシアでは、中央での初等・中等教育の徹底と、貴族家の定期的な朝貢を義務付けている。南西のメノルカ王国は、グロノー山塊を挟んで位置しており、一応の友好国である。ガゾンブリアが長期の遠征が出来ないのは、長期化するとメノルカから海峡の補給路を断たれる危険が有るからである。


 因みに、アイテシアの中央とは、山脈セテフォンセが分かつ為に領都サラザードと、ここ50年ばかり首都をしている現在の王国首都ラ・シュリオンになっていた。


 そんな、地理と政治状況一般に付いて、商家出のリーラと、男爵(バローレ)令嬢であるリュミエラと、準男爵(バロリア)令嬢のジョーヌの3人には説明もお手の物だな。


 なんせ、ヴァン・センヌ貴族院学園の中等部の一般教養科目らしいし。今まで、リーラから、切れ切れに聞いた話では有るし、ちょっち暇な俺は、別の事にも思考を向けた。






オズトロット神の司って(=つかさどって)居る属性など、後に書きますが、オズトロット神には二面性があり話し方も変わって来ます。吃音が普通になったのは、その為です。声質も、男性と女性の間を行き来します。"出たなボスキャラ"って人には申し訳ありませんが、カレンの敵はこの世界の理不尽さそのものですよ。



※アレルギーに関しての記述は、蓄積された科学的データーに基づいては居りません。あくまでも、参考までに留めてください。


※'20-1/16の誤字脱字報告に上がった怖"い"らしいの表現について、感覚的に"嫌らしい"の延長線上で読んで頂ければ幸いです。従って、ルビで"い"を省いて強調させて頂きました。違和感を抱かれた方には大変申し訳ないのですが、筆者としての好みの問題です。誤字脱字報告を、ありがとう御座います。


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