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カレンのパーティー料理/正月特別<番外編>

 


 キスレーブ月(師走(しわす))に成ると、日本人の意識として何とは無しに忙しく(せわしく)なる。


 アイテシア4大祭りの一つ、ローナ・シュシャンが有るので浮ついているのも有るかな。あー、屋台の味が忘れられん。寒くなるとさ、酒のお燗にオデンの大根や、ちょいと味噌の入って生姜の効いた甘辛いモツ煮込みが懐かしいと剛の記憶が声を上げる。


 別に、領館で出される料理が不満なのでは無く、この世界の屋台料理も食べたけど、あの何とも言えない濃厚な旨味と言うか、魂を虜にしてしまう様な味わいには上品過ぎて及ばない気がする。


 毎年、冬至からの最初の新月は、お祭りの最終日に当たるから、今年は大体シュバツ月の始まり頃かな?


 そう、このテラース教を深く信仰する者が大多数を占めるアイテシアでは、原初の神であるアイテールが世界創造後、休まれた新月を大切に考える。春分の次の新月に始まり、夏至、秋分、冬至も同じく、それぞれの次の新月を祝う。


春=ロシュ・ホーディッシュ

夏=ローヌ・イズコール

秋=ロール・シャハナ

そして、冬のローナ・シュシャンである。


 冬至を過ぎたと言えば、あれ、日本人が好きな赤服の太ったオッサンが、トナカイのソリに乗ってプレゼントをバラ撒くアレ。日本人の多くは、その日がキリストの誕生日として聖夜を送るが、かた〜く信じる人には悪いが、キリストが生まれたのは春分の最初の新月と伝わる。


 元々ローマ軍が、力に任せて各地の信仰のご本尊を強奪して、ローマは神の都とした傲慢さが嫌いだし、信仰されていた様々な神々への信仰が駆逐されるか、キリスト教に併合されてって、あまりに自分都合なのにも反感を持つ。


 クリスマスも、ミトラス教という太陽神信仰の最大祭日だった。日中の長さが最も短くなる冬至を基点に、日の長さが長くなり始める日を神ミトラスの復活の日としてお祝いされていた。それをイエスの復活になぞらえて、この日をキリストの誕生を祝う日とすることで、これまでミトラス教を信仰していた人々をキリスト教に取り込んだわけ。


 だからと言って、イタリア料理に八つ当たりはしないのが、俺クオリティ(笑)


 ともかく、美味いものは万国共通、ワールドワイドな共通認識だよ。それが、ひとつの平和への糸口だと思うがね。落とし所のある争い事なら、死人が出なきゃ概ね平和なんじゃない?平和でも、"なぁなぁ"の"だぁだぁ"が占める腐った平和は要らんがな。



 〜〜〜〜〜



 醤油も、ミリンも、削りカツオも、昆布も無いのに、お正月料理では無いけど、気分だけ味わいたくて最近では料理のレシピを思い出しながら、メモをしていたんだ。シュバツ月に入った今日は、材料の確認と、年末大掃除の手配と年越しの蕎麦改め、年越しフィトチーネを厨房に指示した。


 じゃ、お料理の前に、部屋の大掃除だ。俺もチョコチョコ手伝う。最初は、誰も大掃除の必要性を理解してくんなかったけど〜、「冬至が済んで、この清々しい日に部屋を清めたら、神々が祝福してくれますよ?」と囁いたら、俺がいつも神々から知恵を授けられてると思ってる館の面々は率先して従ったよ。


 しかし、古い館は、普段の掃除が行き届いているとは言え、やっぱ埃ぽぃわ。で、掃除が済んで一段落着いたら窓を全開にして、空気を入れ替える。寒さも吹き飛ぶ清々しさだよ。後は、年越しフィトチーネだわ。


 簡単だよ?小麦粉の山の頂上にボールで凹みを付けて、全卵と水と塩を混ぜて、ベタベタしてた生地が手に付かなくなって纏まったら、よく叩いて伸ばして丸く纏めとく。しばらく生地を休めたら、打ち粉(こむぎでんぷん)を振って伸ばして平たくしたのを畳んで板を当てて包丁で切るだけ。


板を当てる案は、俺が行きつけの讃岐うどん屋さんがやってたからパクった。切ったら、一人前ずつ取り分けて、更に打ち粉を振って台の上で軽く手揉みして麺を捻ると、パスタにソースが良く絡んで美味しくなる。


 俺は、厨房を眺められる位置に椅子とテーブルを置いて貰って、優雅に午後ティーをしながら監督してるんだ。だって、まだ小さいのに厨房なんかウロチョロしたら邪魔じゃん。厨房で、食べるなら、やっぱスフレ(ソッフレ)だよね。


林檎の(ソッフレ・)スフレ(オゥ・ポメ)

可愛く、ソッフレ オゥ ポムポムと名付けたり(笑) 底の深いパイ型に、カスタード(クレメ・)クリーム(パティシエール)を太目に絞り出して敷いて、リンゴの薄切りシロップ煮を上に乗せる。


 このリンゴのシロップ煮ってさ、剥いた後の皮も一緒に煮たから、ピンクがかってるんだ。シロップはもちのロンロン、水飴が主だよん。レモン(シトン)の汁を少し使うと色鮮やかになるかな?シナモン少々と、風味付けにリンゴのブランデー(カルバドス)が入ってる。


 ソッフレ生地を作って、1番上に乗せて、オーブンで焼いて膨らんだら出来上がり。ん?ソッフレ生地には、卵黄とミルクと小麦粉とちょっとした甘味と角が立つ位に泡だてた卵白(メレンゲ)が入ってるよ。だから、驚くほど膨らんで、冷め始めると萎む。厨房に近い所で、食べるのが1番だね。あ、型にはバター塗るの忘れずに。ミルクは、バニラビーンズを削って入れると甘い香りがして味わいが抜群になる。


 リンゴや洋ナシなんかの、甘い物だけじゃなく、白身の魚を敷いて、香味野菜(=カロッテ、オニオンなど)、キノコ(シャンピニオン)をソテーしてベシャメル・ソースと合わせたのを底にしても良い。


 年越しフィトチーネのソースは、ニンニク(ルイユ・ブラン)をたっぷりのオリーブオイル(ウィルデ・オリーブ)で香ばしい芳り(かおり)が出るまで炒め(ソテー)たら、赤唐辛子(ポイブロン・ルージュ)を焦がさないようにサッと炒めて(ソテー)、軽く茹でて斜め切りしたグリーンアスパラ(アスペルゲス)ベーコン(バコン)の薄切り、ドライトマト(プレ・セチェエス)の微塵切りを加えて、茹でたパスタを塩気のある煮汁ごとフライパンに放り込む。煮汁とオリーブオイルが乳化して、それがソースになるんだよ。


 で、しばらく炒めてトングで取り分ける。あ、トングも、異世界知識から俺の指示で作ったんだ。やっぱ料理は、道具で決まるから、他にもセルクル型(=野菜のミルフィーユやパイ生地を切るとか応用範囲は広い)やトルテカッター(=ガトーに当りを付けて等分に切る)にシノワ(ざる)(=円錐形の裏ごしも兼ねた笊)も作らせてたりする。他は、思い付いた順番に作るつもり。


 綺麗になった広い正面玄関には、神様の像を飾って年越しフィトチーネと果物をお供えして、皆んなに神の祝福がありますようにとお祈りしたら、もう夕方6時の鐘が鳴ってた。



 〜〜〜〜〜



<開けて翌日の昼食時(ちゅうしょくどき)>


 で、俺がレシピを教えて作らせた代表料理は、


ニシンのマリネ(ヘリング・マリネ)

シトンとニンジン(カロッテ)玉ねぎの薄切り(オニオン・エマッセ)タイム(レ・テンプ)に、ひと塩をして水を抜いた代わりにビネガーで漬けた物にオリーブに赤パプリカ(パプリカ・ルージュ)を種の空洞に挿した物を芯に巻いて、木串で刺してる。捌いた魚の身を、笊に並べて塩をして水分を絞ってから酢漬けにする技法は、海の方ならともかくサラザードでは知られてなかった。


 漬け汁は、(ビネガー)魚出汁(クール・ブイヨン)を温めて、月桂樹の葉(ラウリエ)と粗挽き胡椒(ポイブレ)を入れて、冷めたら材料を混ぜて掛けるだけ。これで、1〜2日置いて仕上げに、パセリ(ペルシー)を千切って乗せると良い。


 ニシンが獲れる位だからカズノコも採れるんだけど、現地で消費されちゃた。まさか、俺が食べるなんて知らなかったんだって。豚の餌って何それ〜、ぷんぷん。


 後、海鮮は、ホタテと鶏胸肉の野菜添え。ホタテは、貝柱の干したのが有った。


丸鶏のガランティーヌ。

木綿の布の上に、丸鶏から取った肉を広げて、カロッテとアスペルゲスを芯に、挽いた鶏肉をビネグレット・アィセーズ(=アイテシア・ドレッシング)で味付けしたのを隙間に詰めて巻いて太い木綿紐で縛って、香味野菜を入れた出汁(ブイヨン)で煮て、少し冷めたらまたキツク縛り直して一晩煮汁に浸けとく。後は、紐を切って布を外して、適当な厚みに切り分けるだけ。


Ragoût de langue(=タンシチュー)は、

大きなタンをザッと茹でて皮を剥き、カロッテ、オニオン、セロリ(セレリ)と軽く潰したルイユ・ブランを材料を焦がさず炒めて(ソテー)、小麦粉を塗したら弱火にして赤ワイン(ビン・ルージュ)とワインの半量ほどの生プレとプレ・セチェエスを入れて軽くソテーして鍋底の焦げ付きを綺麗にこそげて楕円の大鍋に放り込む。


 続けて、タンと出汁(ブイヨン)に、レ・テンプにラウリエを加え、塩胡椒で味付けをして、2〜3時間はコトコト煮込む。煮上がったタンを取り出したら厚めに切り分ける。鍋の残りの野菜は、シノワで漉して潰し、別鍋でブールマニエ(バターと小麦粉半々)で、トロみを調整してタンに掛けるソースにする。


 このお料理は、今回の目玉とも言えるトマト(プレ)ジャガイモ(ポマ)をふんだんに使う。ポマは皮のまま茹でて、少し冷めたら皮を剥いてマッシュして置く。それを、バターとミルクで伸ばして塩胡椒で味付けをしてクリーム状にしたのを、付け合わせに絞り器で絞る。


Viande d'agneau grillée a la Herb Shiogama(=肉の香草塩釜焼き風)は、

今回のもうひとつの目玉。生後1年未満の若い子羊の肉(ラム)を使う事で、母ちゃんの言いたかった安くて美味しい肉と言うのを実現してみた。因みに、塩釜って日本の調理法。豊臣秀吉が母親に、塩に包まれた鯛を贈ったのが始まりとされる。チャイナの乞食鷄(=粘土に包む)など似た技法は、古くからあるらしい。


 ローズマリー(ロマリン)、レ・テンプ、ペルシーと黒胡椒(ポイブレ・ノイル)と、ニンニク(ルイユ・ブラン)とオニオンを摩り下ろして肉に揉み込み。粗く砕いたピンクソルトと卵白で、塩釜を用意する。肉を塩釜でつつんだら後は、気長にオーブンでグリルするだけ。串がスッと通ったら、芯まで火が入った証拠かな。今回の肉は、ラムの肋骨を中心としたバラ肉やロース肉にした。ラムチョップだね。


 焼きあがった塩釜は、爺ちゃん婆ちゃんとお客さんの目の前で、包丁の柄で叩き割って切り分けサービスをする。付けるのは、クレッソンとワインビネガーに粒が入ったマスタード(ムターデ)、茹でたジャガイモ(ポマ)のグリル。これが、ラムの油にフォークでグリルポマを潰すと絶妙な味わいを与える。ポマは、熱を通すとカスカスするから、バターなど油と相性が良い。


Vichysoise(=ジャガイモ(ポマ)の冷製ポタージュ)は、

ヴィシソワーズの事。ポマを厚切りにして、オニオンは極薄切り。これらをバターでソテーして、ブイヨンでクタクタになるまで煮込み、シノワで潰してミルクと煮る。塩胡椒で味付けしたら、今の時期なら鍋ごと外に置いて冷やす。スープ皿に装って、生クリームをそのまま真ん中に垂らすと出来上がり。


 正月だからって、ノンビリぼやぼやするほどは暇じゃあ無いんだわ。そう、この豪華なご馳走は、狙った未来への投資だよ。俺は母ちゃんの、ノブレス・オブリージュ=高貴な者にはそれに応じた義務があるんだって精神には、何時も心から感心しているんだ。無論、母ちゃんは理屈では言わないさ。でも、肌で高貴なる者の義務を知っている。前世で出来なかった分は、今世の両親に尽くすつもりだ。


 シュバツ月の今日は、商業ギルドのギルド長と農業、酪農業のトップ。工業ギルドのギルド長とサブギルド長、家老である爺ちゃんと、連れ合いで元正妃(デュチェッセ)の婆ちゃんまで呼んでビジネスの話だ。父ちゃん母ちゃんは、ティシュリル月の政治シーズンに合わせる為、ティシュリル月のロール・シャハナのお祭りを見る事なく、王国首都ラ・シュリオンに旅立っていた。


 商売人(ビジネスマン)の慣用句で、『食事を共に出来ない者とは、ビジネスの話をするな。』というのが有ってな、それ位、食事態度に人間の品性、育ちが出るんだぜ?


 母ちゃんの理想に道を付けるのを、俺は目的としている。即ち(すなわち)、領の皆んなを飢えから救い。ゆくゆくは教育水準を引き上げて手に職を付けさせるんだよ。


 だから、寒冷で痩せた土地でも育つ作物としてプレとポマの苗を増やして栽培拡大と、ボードゲームの生産と遊び方を広めようと思う。そう、テオにした事を拡大するんだ。ボードゲームは今の所、リバーシと将棋、五目並べを考えて居る。囲碁は、アイテシアに向くかどうか微妙だな。



 〜〜〜〜〜



「いやー、このスープの洗練された味わいが、犬も食わないと言われた茶セル(セル・マッロン)(=ポマ)なんて驚きですわ。」「然り、然り。」「それに、このホコホコとしたパンは何ですかな?」「そちらは、生地に湯がいて潰した、茶セルが入っていますわ。こちらのレバーペーストを塗ると、更に味の深みが増します。」実は、このパンは失敗作。餅に近づけて、モチモチした食感にしようとしたのに出来たら思ったよりパリパリだった。


「それに、あそこで焼いているのは何でしょうか?」「ああ、あれはベーコン焼き(バコン・グリル)と申しまして、よく溶いた卵と水に、振るった小麦粉をサックリ混ぜて、焼いた丸溝の型の中にラード(サンドゥー)をたっぷり引いて流してやります。


 そうして、バコン、チーズ、揚げカス(カナルデ・フリテ)キャベツ(シュー)の微塵切り、ドライ赤セルセル・ルージュ・セチェスを千切りして、あのピックでグルグル回しながら焼くと、外はカリッと、中はクリーミィな仕上がりに成ります。後は、好みでオランデーズソース(=ほぼ、マヨネーズ)を付けるなり、マスタードを付けるなりして食べて下さい。」


「ほほう、それはいい。熱々がなんとも堪りませんな。」「姫様のお披露目パーティーの後でも頂きましたが、今日は更に美味しく感じますよ。」「ええ、料理人の腕が良いのです。」そうして、タンシチューの付け合わせや、ラムの香草塩釜焼きの演出を楽しみながら、皆さん舌鼓を打って喜んでいた。


「これらは皆、赤セル、茶セル、うちでは赤いのをプレと、茶色の方をポマと呼んでいますが、この痩せた畑でも育つタップリと栄養のある作物を早く拡めようと、こうして使えるレシピを料理と共に公開する予定です。」爺ちゃんは、ひと口食べる度にウンウン頷いて居るし、第2夫人派の婆ちゃんは複雑な表情をしている。


 でも、俺の畳み掛けはまだだ。その後、運ばれて来た、切り札がフライド・ポマと、蒸したポマにチーズを乗せたの。生プレと、カッテージチーズのサラダを、皆さんにお見せして味わってもらう。フライド・ポマは、商業ギルドのギルド長と酪農のトップには食べさせてはいるが、他の人は初めてだ。


「このように、手の込んだ料理で無くとも、簡単に調理が出来て美味しく頂けますの。これから、平民達にこの美味しさが広まれば、貧困層の食糧事情が改善するでしょう。そこでお願いが有ります。ここに集われた皆さんに、出資をして頂きたい。この作物を、貧困打破の為の戦略作物として、広く伝えて食べ方も工夫して頂きたい。そのアイディアを頂きたく存じますが、ご協力を頂けますか?」


 爺ちゃんは、「さすが、ワシの孫じゃわい。もう少し、大きくなったら、ワシの家老職の補佐をせんかね?」工業ギルド長は、「こんな分かりやすい説明は初めてだ・・・。」商業ギルド長は、「商人として言わせて貰いますが、カレン様の説明は分かり易す過ぎる。これではもう、出資するしか有りませんな。」「しかり、これだけ分かり易くて、この場で反対する者は居ないでしょう。」って、褒める前にアイディアを出せ!


「出資は良いのですが、私達が呼ばれた目的は?」工業ギルドの会長さんが、手を上げて聞いて来るのでボードゲームを出して見せる。「こちらのゲームを作って広めて頂きたいのですわ。」食事も済んだし、腹ごなしのゲームタイム。ティーを頂きながら、スライスアーモンドをふんだんに使った果物のミルフィーユを頂きながら、ゲームルールについてと、先攻後攻のジャンケンを教えた。


 直ぐに、ゲームの面白さを理解して夢中で遊ぶ大人達。特に、リバーシへの反応が良い。でも、爺ちゃんがすこし硬い顔をしてるから、気になって尋ねたら、「なあ、これは確かに面白いのだが、賭け事に使われたりしないか?」


「使われるでしょうね。でも、ボードゲームならチェスも有るのに、賭けチェスは流行らないじゃないですか?」「ああ、まぁ。」「流行る賭け事に向いたゲームって分かりやすくて、単純に悔しかったりハラハラさせるやつです。私の提供するのは、頭を使うゲームですから、賭け事としては流行らないでしょう。」


「私は、こうして遊びの中に、学習要素を加味したいのです。」そう言うと、リバーシの駒の一つ一つにアルファベットを書いた紙を貼り付けて行く。「こうやって、単語を並べたクロスワードのクイズを毎月だして、正解者には賞金も出す事で皆さん識字率が向上します。今度は、クロスワード用のクイズ集を売りに出して、学習意欲を刺激して、簡単な書籍を読める様になればしめた物ですね。」


「なるほど、神殿学校でも開いて、読み書きでも教えますかな。」「いや、その前に、神殿を増やさなければ・・・、」などなど、議論が続いて、、、。


「それで皆んなが楽しみながら字を読める様にして、いずれ手に職を付けさせます。現状では、限られた知識層でしか識字できないのなら、読めない人は安く使われるばかりじゃないですか。」出して問題が有るよりか、何もしない方が問題でしょうと言えば、爺ちゃんは分かったと言わんばかりに手を上げて婆ちゃんの方を見た。


「やっぱり、ロレッタ家の血筋のカインに、モンテローザの肝っ玉ミラベルを娶せたのは正解じゃわい。」なんて、爺ちゃんは豪快に笑う。婆ちゃんは今、能面の様な顔に笑顔を貼り付けている。この場に、父ちゃん母ちゃんが居たら、密かなラブラブモードが始まるなと想像してクスクス笑ってしまった。


 そんなこんなで、俺にとっての"お正月"は、刻々と過ぎて行くのだった。


こんにちは、と言っても筆者のリアルタイムは早朝なのですwこの小説に、いつもお付き合い頂いて感謝して居ります。明けましてには早い時期ですが、お正月特別番外編という事で書かせて頂きました。


何時もなら、4000字くらいまでストレスなく執筆できるのですが、最近は思い付いたエピソードをどの場面で活かして使うか、どう言ったタイミングがベストか、他のエピソードとのザッピングをどうするべきかで、筆が進まない事が多いです。こうして執筆して見ると、他の執筆している人が偉大に見えますね。


筆者は紹介欄にも有ります様に、小学生時代からのハードSFファンです。つまりは、頭痛が痛くなる程の理屈理由付けに慣れていて、一節が長文でも平気です。ライトノベルの節ごとの盛んな行の間は、却って苦手なんですわ。


学生時代に、テーブルトークをやった事が有りますが、独自解釈と盛んな理由付けで、トークマスターをよく困らせて居ました。これはこんな物で理解しろって言われても、例えば何で火をぶつけなきゃ行けないのか?が分からない。


燃焼とは、炭素などの可燃物と酸素が反応して激げしい酸化をしている状態ですから、熱値を上げて青白くしても、燃え草が一気に減るだけで余り破壊力には繋がらない、使用効率が悪い訳です。ぶつけても金属の全身鎧や水刺し子を着ているだけで効果は半減ですわ。


ぶつけるのなら、火炎放射器をイメージして粘性油を入れた火炎が効率的です。別に酸化手段の有る爆轟ならモンロー効果を頭に置いて貫通力を上げるとか、スマート爆弾の様に破片を大量にばら撒く方が殺傷力は上がります。


ぶつけるだけじゃ、大抵の場合、騎馬を驚かす事に使える位じゃないかと思います。火をおこすエネルギーがあるなら、敵の体内の水分を抜くとか、体内水分の水分子を振動させて体温を2〜3度上げてやるだけで、人事不省に陥らせる事が可能です。周囲の酸素を奪うだけでも、効果的ですよね。


イマジネーションの世界では、リアルとリンクしないと実感がわかない。一から世界の創造が出来ないなら、想像とリアルのジレンマが発生します。どこまでも、リアルから離れてしまって、イマジネーションが追い付かなくて作品が書けなくなる人も多いのじゃないかと推測しますね。


この作品世界では、マナ法として魔法は出てきますが、これは世界の根源に関わる力として神々の授ける物です。ですから、他者の体内水分に干渉したり、周囲の酸素を奪う事は神々が許さないとしています。つまり、他者の本来的な生命活動の維持には手を下せないのです。


当作品は、異世界ヒャッホーウな魔法や魔獣は出て来ませんが、カレンが異世界から持ち込んだ知識と経験で、物語の横軸を作ります。当作品は、ハイファンタジーとして居ますが、一風変わったファンタジーとお読みくだされば幸いです。



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