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D〜R World  作者: 鍵崇拝
8/13

8話 帰還

目が覚めた。

夢を見ていた。

嫌な世界だった。

あんなところにいたくはなかった…



いつものように雪篤と朝食をとっていると、また小春が話しかけてきた。


「雪、今日あの子が帰ってくるから12時に会議室に来て。あ、ついでに秋くんも。」


あの子?…誰だろう?

ここのコミュニティの者だろうか。


など考えていると、ため息混じりに雪篤が口を開いた。


「あいつが帰ってくんのか…。あいつのテンションは好きじゃないんだがなぁ…。」


「まぁそう言わないでよ、大事な仲間でしょ。あの子はここではかなりの戦力なんだから。」


「わかってるよ…。はぁ、今から気が重ぇ…」



食事を終えて、俺は雪篤の部屋に向かった。

部屋の前に立ち、ノックをする。

すると、入室を促す声が返ってきた。


部屋に入り、雪篤に問いかける。


「さっきのことだが…『あの子』って誰なんだ?」


「あとですぐ会えることだし、今話す必要もないと思うが…まぁ聞きたいなら教えてやろう。あいつはこのコミュニティの、能力者保護のためのグループに属する『特攻隊長』みたいなもんだ。敵がいるとこに行き、能力者を保護する。あいつはこのコミュニティの中で、随一の戦闘能力を持っているからな。あ、名前は本人から聞け。俺はあいつの名前が嫌いだ…、というかあいつが嫌いなんだ。名前からして暑苦しい…」


なるほど…静かで普段からテンションの低い雪篤とは正反対な人間…というわけか。

戦闘能力が高いということは、能力もかなり戦闘的ということだろうか。



そして、お互いのここに来る前のことなどを話しているうち、12時が近づいてきた。


「…お、そろそろ行こうか。お待ちかねの特攻隊長さんに会いに。」


「あぁ、まだ会議室の場所がイマイチ覚えられないから、案内頼むな。」


「あぁ、任せろ。」



会議室の扉は、すでに開かれていた。

中から楽しそうな声が聞こえてくる。


「おかえり、ヒマ。無事でよかったわ…。」


「何を言うかー。あんな底辺の雑魚相手に怪我してるようなタマじゃないってのー!まぁでもちゃんとここに帰ってこれてよかったわ!」


「うん。私も嬉しいよ。」


「2人でラブラブしてるとこ悪いが、俺もいるぞ。」


雪篤が部屋に入り、2人の中に入る。


「おぉ、雪くん!久しぶりぃぃぃ!!」


『ヒマ』と呼ばれた女の子が、雪篤に飛びつく。


「うわっ来んな!!」


「いーじゃーん!久しぶりなんだからハグの一つや二つぅ〜!」


「だから、お前は良くても俺は良くないんだよ!」


眼の前で繰り広げられる光景に、俺はしばらく何もできなかった。


「ほらほらヒマ。さっき話した新人がいるんだから、挨拶して。」


「おぉ!そうだった!」


こちらを振り向く少女。

そして満面の元気な笑顔で


「初めまして!夏目なつめ 向日葵ひまわりです!特攻隊長やってまーす!よろしくね、栗山 秋人くん!」


と、橙色の髪の少女は俺に向かって拳を突き出してきた。

俺は若干面食らったが、深呼吸をして


「あぁ、これからよろしく頼むよ。いろいろとな。」


と返し、お互いに拳を合わせた。



ー8話 終ー

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