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D〜R World  作者: 鍵崇拝
7/13

7話 自然

用件は結局俺の能力のことだけであったらしく、話はすぐ終わった。

俺は部屋に戻っても練習を続けていた。


「……」


何も考えないようにして、近くの本を手に取る。

するとやはり、何の手応えも無く裂けてしまった。


「…くそ…上手くいかねぇ…」


おそらく、何も考えないように…と考えてる時点でダメなのだろう。

その時点で一種の集中状態に入っている。

だがこの事実を知ってしまった以上、前のようにスラスラと自然にいられない。

故に何をしても全て壊してしまう…


(このままじゃいずれ…桜や雪篤も…)


手にかけてしまうのではないか…

だがそう思ってしまうすんでのところで思い出した。


「…バカか…そうならねぇために今こうしてコントロールの練習をしてるんだろうが…」


どれだけ時間がかかるかはわからない…でも足掻くだけ足掻いてみよう。

再び、周りのものを探した。





「…あっ」

目が覚めた。

気がつくともう暗くなっていた。

いつの間にか寝てしまったようだ…


「ったく…コントロールの練習してたんじゃねえのかよ…」


しかし後悔してももう遅い。

時間からして、そろそろ夕食が食べれる頃だろう。

ドアノブに手をかけ、部屋を出た。



食堂に着くと、雪篤が俺の席を空けておいてくれていた。


「悪いな、席空けてもらって。」


「気にすんな。…コントロールはできてるっぽいな…」


「…能力のことか?」


「それ以外に何があるんだよw」


「いや、まだ上手くいかない…何を手に取っても全て裂いてしまう…」


「そうか?できてるだろ。」


「そんな簡単にできてたら、こんな悩んでねぇよ」


「いやいや、できてるって。じゃあ聞くぜ?コントロールできてないのなら、どうしてお前は部屋を出てこれたんだ?」


「何言って…」



……あ

そうだ…能力が発動していたら、ドアノブに手をかけたところでドアノブは切断されて、部屋からは出られなくなっているはずなのか…

しかし今俺はこうして食堂で雪篤と会話を交わしている…

…ということは…?

…ん?


「…いや…これコントロールって言うのか?」


「細かいこと気にすんなって。無事に自然でいられるんだからいいじゃねえか。ほら、飯食おうぜ。」


…まぁ…いいか…

時間はまだある。

それに、自然でいることに本来練習なんていらない。

普段過ごしてるように、ただただ同じように過ごせばいいだけだ。

何も悩むことなんてない。

そう考えたら、少し心が軽く感じた。

そして俺は、少し嬉しいような気持ちを感じながら、夕食を食べ始めた。



ー7話 終ー

意外と普通に投稿できました。

よろしければまた見てください。

自分のこの妄想劇を

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