3話 急転
目が覚めない。
夢を見ている。
いや、本当はわかっているのかもしれない。
これは夢でなく、残酷な現実であると…
朝食を済ませ、学校に出かける…はずの時間だが、今日は休校だ。
無理もない、あんなことが起きたんだから。
…起きた?違う…「起こした」んだ…俺が…?
警察からの取り調べも何度も食らった。
もう嫌だ…友人の死を目の前で見たというのに…警察というのはなぜこうも気遣いといったものができないのだろう…
ピンポーン
チャイムがなった。また警察か?
一応外を覗いてみる。
「…?誰もいない…」
イタズラか?くそ…こんな時に…
「暗いなぁ…電気点けたらどうだ?」
「うるさい…お前には関係な…」
…ちょっと待て…
俺は今…誰と会話をした…?
慌てて振り返るとそこに自分と同年代であろう見た目の白髪の男が立っていた。
「お前が新しい能力者…だな?事件の話など聞いて調べさせてもらったぜ、栗山秋斗。」
「なんっ…お前…」
「あぁ、すまない。俺は冬谷雪篤。訳あって家に入らせてもらった。早速だが来てもらいたい。」
訳がわからない…いつの間にか家に入って来たかと思えばついて来いなどと言い出した…
少し深呼吸をして言葉を投げかけた。
「いきなり何なんだお前は…俺に何の用だ。というかいつ入った?」
「たった今だよ。チャイム鳴らして出てこなかったら嫌だし、案の定お前が出てこないとわかったから入らせてもらったんだ。俺の能力でな。悪いが詳しい説明は後だ。今はついて来てくれ。」
「はぁ?ちょっと待てよ…そんな程度で納得がいくと…」
すると突然、白髪の男が近づいてきて俺の額に指を触れさせた。
「それじゃ…こうするしかないな…」
視界がぼやけ始め、その言葉を耳に残して、俺は意識を失った。
目が覚めた。
夢は見ていない気がする。
頭がまだぼやけている。
「目が覚めたね、栗山くん」
「え…あっ!」
目の前に見知らぬ少女。
身体を起こす。
記憶にない場所…古びたビルみたいなとこだ。
ここはどこで…俺は今何をして…?
「話してると長引きそうだったから、ちょっと強行手段を取らせてもらった。ごめんね。でもこれは君を守るためでもあったの。」
少しずつ意識がはっきりしてきた。
そこで当然の疑問をかけた。
「あんた…何者だ。そんで、ここはどこだ」
「私は、小春。桜 小春。そしてここは、君のような能力者を保護する場所。特殊能力を悪用する輩から守る場所、と言った方がいいかな。ちなみに私は、この場所のリーダーを務めています。」
桃色の髪の少女が自己紹介をする。
こんな子がリーダーをしているのか…なら…
「…あっ!さっきの男…あいつはどこに…」
「あぁ、ユキのこと?今はここにいないの。いろいろ思うところあると思うけど、今は抑えて。」
やはりあの男もここの人間か。
「詳しい説明はここで聞けるんだったよな?聞かせてもらいたいんだが。」
「あ、そうだったね。疑問を残し続けるのはあんまり気分のいいことじゃないよね。 じゃあ…とりあえず私の話せる限りのことを話すよ。でも、あまり熱くならないでね?戸惑う気持ちはわかるけど…。」
何が聞けるのだろう。
不安と不思議な期待が混じった複雑な感情がこみ上げてきた。
「それじゃあ話してあげる。今、君に何が起こっているか。そして、これからどうしてもらうか…最後にどうするかを決めるのは、君だけどね。」
ー3話 終ー
こんな下手な文でこのような場所で投稿してるってことを思い出すと、下手さ故に恥ずかしくなってきますw
これからもよろしくお願いします。