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23.襲撃者

「『---その魔力の持ち主を返せ』と言われた・・・濃い紫色の瞳をした女だった」



 兄様が襲撃された・・・僕は、あせる気持ちを押さえ、目覚めるのを待っていた。


 ---怪我がひどいものでなくて良かった。と安堵した。


 何が起きたのか情報を得る為だ。

 父と兄が、街の騎士たちが危険にさらされるのを、見過ごす訳には行かなかった。だが、兄様からもたらされた情報は、僕の予想外の事だった。




「その魔力・・・??」



 兄様が腕輪に触れた・・・その魔力って、僕の魔力の事か?返せって僕の事・・・?



「---兄様、きっと僕の魔力を込めた魔石を持った事によって、攻撃をされた。・・・相手は魔族だと思います。僕が街に行けば姿を現してくれると思うのですが・・・」


「・・・それは駄目だ」


 兄様はもちろん反対するだろう・・・父も同様に。でも、濃い紫色の瞳をした女の人に会いたいと思った・・・。 僕の魔力に心当たりがあるのは、誰だろう?---人間の女の人で紫の瞳の持ち主に心当たりは全く無い。

 あるのは・・・ただ一人だけ。でも、そんな事はありえないし、あってはいけないのだ・・・。それでも、期待せずには居られない。街に行くしかない。


 もし、あの人が街に居るのなら---淡い期待を抱く。夕暮れ時では駄目だ。


「---街には紫色の瞳をした女の人は、多いのでしょうか??」


 一人一人瞳の色を確認する必要は無いのだが、兄様に聞いてしまい、苦笑いを浮かべるしかなかった。





「そういえば、兄様はどうしたのですか?腕輪は効力を発揮しているようでしたが・・・」


 と、僕は腕輪の大きな魔石に残っている魔力がほとんどなくなっているのに気が付いた。

 ---これは、僕の腕輪が効力を発揮していなかった訳ではなく、明確な怒りと憎しみを持って攻撃魔法を受けているのだと感じた。当たっていたら一撃だ、大事にならなくて良かったとホッとしたが、そもそも腕輪を持っていたからこんな事になったのだと、・・・どちらが良かったのかなんともいえない状況だった。


 バツが悪そうに、視線をはずした兄様に補足しておく。


「これは、攻撃された威力が強すぎたんですね。防御されてなかったら、体が半分になっていたかもしれません。---飛ばされたくらいで済んで良かったです」


 防御魔法によって相殺された魔法。・・・かすかだが、相手の魔力も感じるが特定するには判断しがたいところなのだが、僕は確信していた・・・やはり街に来ているんだ。


 ちょっと脅かしを込めて、どれくらいの威力の襲撃を受けたのかをサラリと兄様に告げると、何とも言いがたい顔をし、体中を確認していた。


 襲撃を受けた兄様には申し訳ないが、怪我がなかった事もあり、にやけてしまう顔をどうする事も出来ないでいた。


 ---明日、街に行くとしよう。


 誰が、なんと言おうとも・・・。


 僕は、笑いが止まらない。彼女の思いっきりの良さを・・・お転婆な、我がままお姫様は今も健在の様だ。

 にこやかに、自分の意思を通す押しの強さと、行動力に驚かされるばかりだ。


 ---会いに行こうと思っていたのに、先を越された・・・流石僕のお姫様だ。





 でもその前に、兄様に騎士達が浮き浮きとしていた美人さんの話を聞いておこう。


 ---僕のお姫様以外に居ない気がする。


「---騎士達の噂の美人さんの特徴はわかりますか??」


 兄様は少し考える・・・とゆっくり口を開いた。

「・・・詳しくは聞いていないのだが、魔石商のところに来ている少女の事だと思う。腕輪を取りに行った時にすれ違った。濃い紫色の瞳に水色の髪をしていた」



「---そうですか、なら早く迎えに行かないとですね」


 ・・・僕はどす黒い感情を隠すように、微笑んでいた。---彼女の周りに騎士が居たら、どう蹴散らしてやろうか・・・なんて、そんな想像はしたくない。でも、誰にも邪魔はさせないし、兄様も父にも、誰にも邪魔はさせない。


 とりあえず、周りをうろついていたみたいだから、フラフラ出来ないように兄様に訓練してもらわないと・・・。




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