幸運の女神
掲載日:2015/02/23
マンションのベランダに千両の木が自生する
朱の実を鮮やかにもたげてみせる
キタ!
時計の文字盤を覗くたびにゾロ目が揃っている
くるぞ くるぞ
結局何も来なかった
来たのはアルバイトの不採用通知
これはあなたの幸運です
最近とみに仕事は少なくなっています
なるほど
選択肢が限られてるということを
鮮やかに示してくれたんだね
私の身の丈に合った幸運の女神さんよ
一度でいいからゴージャスな女神にあやかりたいねえ
柔らかくっていい匂いがするぜ きっと
いつもの女神さんは意外性にのみ長けている
意外性は私の妄想する華麗な人生にはないキーワード
意外性は低燃費で走る私の人生に欠かせぬオイル
ふつう彼女は無理強いをしない
怪我しないように気遣ってくれる
ときおり怠惰な尻を叩いて
意外な景色を見せてくれるけど
きっと最後のゴールに着いたとき
初めて対面することになる
どのツラさげて会えばいいのか
自嘲の笑みを浮かべるしかないな
それでも彼女はねぎらってくれるさ
でなきゃとっくに見限られてるよ




