それぞれの心(2)
ワクワクと手を突っ込んだ亜葵の手に触れたもの。
「あ、なんか手に当たった!」
彼が声を上げるとラフが笑って言う。
「では、そのまま掴んで取り出してください。それがあなたの武器、しいては心ですな」
「りょーかい!」
そして亜葵が引っ張り出したものはー
「…杖?」
「何の変哲もなさそうな杖だなー」
「いやいや、これはただのロッドではありませんぞ」
つまらなさそうな顔をした亜葵と颯にラフが言う。
「これは炎の魔法の威力を最大限にまで高めるロッドです。その心は、『燃え盛る激情』」
「何だか、かっこいい」
「だろ?さっすが俺」
澪がぼそっと言うとすかさずおどける亜葵。
「じゃあ次はボクがやる」
莉桜が取り出したものは、白く輝くロングソード。
「これは龍の力を宿した剣ですな。心は『飛翔』。貴女の力を高めてくれるでしょう」
「へー…。龍なんてボクに使いこなせるかな?」
「りっちゃんなら大丈夫だよ!かっこいいりっちゃんにぴったり」
「えへへ、ありがと、みぃ」
「じゃあこれからは莉桜ドラゴンって呼ぶか」
颯が茶化すように呟くと、莉桜が睨む。
「何?聞こえなかったからもっかい言ってみて??」
「いや、何もねえ」
「ならよし、じゃあ次颯やってよ」
「おう!」