それぞれの心(1)
そして、翌日。四人はラフに広間へと集まるように言われた。広間へいくと、ラフは大きな箱に手をかけて待っていた。
「おはよ、ラフ。話って何ー?」
まだ眠いのか、澪がふわふわとした雰囲気で言う。
「おはようございます、澪殿、莉桜殿、亜葵殿、颯殿。話というのはあなた方の武器です。悪しきモノ達はみな、鋭い爪や牙、その他にも様々な攻撃手段を持っております。丸腰で奴らに勝つのは難しい事なのです」
「なるほどな。確かに丸腰じゃ亜葵と澪はともかく、俺と莉桜はほぼ役立たずだもんな」
颯が言うとラフはちょっと笑って頷いた。
「そういう事ですな。それでは心の準備はよろしいですかな?何が出てきても驚いてはいけませんぞ?」
後半はいたずらっぽく言うラフ。
「何が出てきても、ってどーいう事?」
「実は、私も箱の中身はわからないのです。この箱は武器を求める者の心を写し、その者に合った武器を生み出すのです」
「え、何それすごい!」
「何かこえーな、それ」
「でも、楽しそう〜」
「棒切れとか出てきたりして」
上から順に莉桜、颯、澪、亜葵だ。
「フフ、何が出てくるかはお楽しみですな。さあ、誰から行きますかの?」
「じゃあ、俺からな!」
目を輝かせて手を挙げたのは亜葵だ。
「では、目を閉じてこの箱に手を入れてくだされ」
「りょーかい!」
みんなが見守る中、亜葵が箱に手を入れる。
彼の手に触れた物はー