和やかな食事
和やかな雰囲気での食事の途中、ラフが四人に問う。
「それでは、改めてお聞きしますが。この世界、救っていただけますかな?」
すると顔を見合わせて、四人は口々に答えた。
「当たり前だろ?」
「え、そのために呼ばれたんだし、やるぜ」
「困っている人、ほっとけないしね」
「美味しいご飯食べさせてもらったし?」
上から順に颯、亜葵、莉桜、澪だ。
するとラフは立ち上がってゆっくりと頭を下げた。同時に城の人達も頭を下げる。
「ありがとうございます。この世界をよろしく頼みますぞ」
「いや、お礼とかやめてくれよ。そーいうのは全部終わってからでいいからさ」
亜葵が手を振りながら言う。
「…そうですか。おや、澪様、どうされましたかな?」
ラフに声をかけられ、ずっとお腹を抑えて俯いていた澪がぱっと顔を上げる。
「えっと…。すみません、その、おかわりください…」
顔を真っ赤にして言った途端、澪のお腹がくきゅるるると音を立てた。一拍沈黙があり、次いで広間が笑い声に包まれた。微笑みながら給仕の男性がおかわりをよそってくれる。食器を差し出しながら彼は言った。
「澪様は私の死んだ娘にそっくりです。生きていればもう少しで成人となっていたのですが…。年の割に幼く見られる子で歌が好きで…、食欲旺盛な所まで似ています」
「娘さんは、その…悪しきモノに…?」
そっと莉桜が尋ねると、男性は悲しそうに微笑んで頷いた。
澪は彼の目を見つめて言った。
「あの、あたし、頑張って娘さんのカタキ、とります」
「ありがとうございます。…お願いします」
そこで、ラフがポンポンと手を叩いて言った。
「さあさあ、料理が冷めてしまいますぞ。食事が終わったら、お風呂に案内しましょう」
「え、お風呂?!」
「やったあ!」
はしゃぐ女子二人。男子二人は何やらアイコンタクトをとっている。それに気づいた莉桜がジトっとした目で二人を見ると、慌てて食べ物を口に詰め込み始めた。それを見て笑い出す莉桜。そして和やかな雰囲気で食事は続いた。