デッドエンド・ハッピーエンド
ようやく辿り着いた。ここは管理者と名乗るアイツが居るところだ。
今俺の手元には、あらゆるモノから自由にするナイフ。対象が例え管理者であろうとも、問題は無いはずだ。
そして、ソイツは俺の目の前に現れた。まるで待っていたかのように。そう言えば、あの時も待っていたのかも知れない
「何故、然るべきを否定する」
「俺は自由だからだ」
「そうか、それならいいんだ」
「どういう事だ」
ソイツは諦めたかのように、近くに置いてあった椅子に座り込んだ。周りは何もないただただ真っ白な空間で不自然だと言わんばかりに、俺たちは存在している。寧ろ、初めからそうだったのかも知れないな。
「僕は自由を失った」
「俺に何が言いたい」
「早く私を終わりにしたらいい」
「似ている所も気に入らない」
その時々、時には気まぐれに、態度や口調を変えるソイツをナイフで切り裂いた
「ありがとう。そして、ゴメンね」
ソイツが消えた後、俺の自由が失われた感覚を感じた。もう消えることはできないと言われたように
ディスプレイ越しにソレは言った
「自分よりも不幸な奴を見るのが快楽だ。自分はまだ良い方だと思えるだろ。もう一度頑張れよ、管理者さん」
そして、自由を求めてもう一度繰り返す