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Secret Fable  作者: ヨエ団
序章
3/15

抽選に当たった不幸な人たち


 私は中国に来ていた。

 というのも、次に滞在する場所を決めるからである。

 そう、引っ越しなのだ。


 それなのに何故中国に来ているのかというと、転勤先、というわけではなく、中国でなければ手続きが出来ない事になっているからだ。

 じゃあ引っ越し先はどこかって?


 答えは簡単。



 宇宙。



 宇宙エレベーターは中国が所持しており、ロシアやアメリカの宇宙船にガタが来てしまったので、今や宇宙に辿り着けるのは中国だけとなった、というだけの話であるが。

 中国は宇宙ステーションも所持し、宇宙の全権を握っているのだ。


 私自身、一度中国を介して宇宙に行った事があるので、もう手続きの仕方は覚えている。

 今は、受付の順番待ち。


 しかし、私は宇宙に行く事を好ましく思っていない。

 むしろ嫌なくらいだ。

 だというのに何故引っ越すのだと問われれば、それは義務だからである。

 なんと、抽選で宇宙に住まなければいけなくなったからだ。

 話によれば人口増加に伴い、居住地区を増やしたいとか。

 難儀な話だよね。


 宇宙は、光はあるが地球に適合しきっている私たちにとって、住むなんてのはナンセンスな話だ。


 空には星、前方には星、後方には星、左右には星、下には星。


 どうだろう? 気が狂うと思わないか?


 それを一度行った時に実感したからもう行きたくないのだ。



「32番ノカタ、3番窓口二ドゾ」



 カタコトで私を呼ぶ声が聞こえた。

 ……腹をくくるしかないよね。


 では、ヒトクラ地獄でも見てきます。

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