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Secret Fable  作者: ヨエ団
序章
2/15

月の住民の一日

 宇宙エレベーターが出来て、早10年。

 そして、俺が宇宙に来て、早5年となる。

 今は月に在住している。

 月は地球の6分の1の重力であるので、最初は戸惑ったが、5年ともなると慣れてしまった。


「さぁて、今日も一日がんばりますか」


 俺の一日は、野菜工場の様子を見ることから始まる。

 というのも、月でも随一、というか唯一の巨大野菜工場に勤務しているのだ。

 この野菜工場の運転が滞れば、月の人間が絶滅すると言っても過言ではないだろう。

 それをコンピューターで1人で制御している。

 そう、俺はこの工場を1人で切り盛りしているのだ。


「おはよーございます」


 なので、朝の朝礼も1人っきり。

 まぁ、朝と言っても地球時間でのことで、この野菜工場は月の北極にあるため、ほとんどずっと日が昇っているのだが。

 一応、5年前まで地球に住んでいた事もあり、これだけは慣習となっていて体から抜けないのだ。


 それから、野菜の納品を済ませて、新しい野菜の種をまき、肥料や水を数時間ごとに投入する――――なんてプログラムを作って、仕事は完了となる。

 といっても、前日のプログラムを少し改変させるだけなので、30分もかからず終了してしまう。

 その後は夕方まで、想定外のことが起こらない限り、パソコンでネットサーフィンをして過ごす。

 宇宙でもネット回線はつながっていて、地球のサイトを見る事が出来るのだ。

 ネット回線が月にも繋がってるのは、地球と月の間を宇宙エレベーターと衛星で繋いでいるかららしい。

 つくづく、宇宙エレベーター様様と言えよう。


「つっても、暇である事に変わりはないがな」


 誰にも聞いてもらえないと知りつつも、ぼそっと呟く。

 元来、独り言ってのはそういうもんだと思う。

 一昔前、独り言を呟くだけのものが流行ったりしたが、あれは独り言とは言わないだろう。

 ただ、フォロワーとおしゃべりをしたいだけなんだ。

 ただ、人肌恋しいだけなんだ。


「まぁ、こういう時はチャットをするに限るな」


 そうして、人肌恋しい俺はパソコンに向き合うのだ。

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