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Secret Fable  作者: ヨエ団
次章
13/15

大津波・地球

 突然、地面が、揺れた。


 地震らしい、震度は7といったところか。

 俺の住んでいる家は地震が来たと同時に浮く仕様となっているので、最初の初期微動を感知しただけで、その後は全く揺れなかった。

 地震大国と呼ばれる日本、これくらいの対策をして当然だろ。



 ネットのTOPニュースに『世界滅亡!?』というのが載った。

 なんとさっきの地震は同時多発的に世界中で起こったらしく、まぁ関連するのはチリ沖とカリフォルニア沖と三陸沖と東海沖くらいなのだが、今世紀最大の津波が世界中を襲うらしい。


 そして試算した結果、世界のどこに逃げようとも津波に巻き込まれる、という事らしい。



 はい、終わったー。



 エラい軽いと思われるだろうが、もうこれ以上思い付かないのだ。

 くそ、宇宙に行ってればこんな事も無かった――――いや、宇宙でも未曾有の大事故が各地で起こっているらしく、むしろやっと来たかってぐらいだ――――か地下に潜っていたらなぁというくらいだ。

 今地下はどうなってるんだろうか、噂は聞かないけれど。


 まぁそれはともかく、だ。


 どう生き延びるか、だ。


 …………飛行機や船はいづれ燃料が無くなり、食料も無くなり、で宇宙ステーションのようになるだろう。

 じゃあどうするべきか。

 幸い、この家は太陽光発電の可能な家だ。

 また、自転車発電もオマケで付いている。

 今は重石にするため床下に太陽光パネルと自転車を置いているが。

 何故重石にするか?


 それはこの家があまりにも軽すぎるからだ。

 もともと浮く設計のこの家は、なんと人の力で動かす事が出来る。

 なので重石が必要だったのだ。

 ならばと思い、近年ではあまり使わなくなった太陽光パネルを貰って床下に置いたのである。


 まぁ、つまりはこの家は水に浮かぶ事が出来る。



 後は食料だ。

 食料、食料、食料……。

 野菜工場の簡易キットならあるのだが……生きていけるか?

 幸い、種は無限にあるし、出来るまでは缶詰めだとかでなんとかなる。

 水も必要となるし、でも飲料水がぁ……。

 辺りは全て海水になるだろうし……。


 待てよ、電気を使えるって事は海水を蒸発させて水だけ得る事も可能じゃないのか?

 水蒸気は周りの海水で冷やす事も可能だ。

 いけるか?



 もう何を考えているかお分かりだろう。


 この家ごとワザと流される、って事だ。




 その後、津波は来たものの、家は転覆せず、また沈みもせず、海の上に浮かんでいた。

 太陽光パネルを上に付けて、それでも足りない場合は自転車を漕ぐ。

 まさに自転車操業とはこのことだ。



「いつまで、こんな事を続けなければいけないのだろう」



 何故かネットの繋がっているパソコンの前で、独りごつ。

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