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幕間の物語:通信機越しの声

 ソフィアがアウリスの救出に向けて出発した。彼女が入り江を出たのを確認したアビッサが外海との唯一の閉じ、一旦は安全になった。


 さて、今の間に通信機の調整をしておこう。

 この装置はリヴィエルにもらった通信機をベースに改造したもので魔物娘の魔力をエネルギー源として稼働させることができる。

 使う際には、この通信機に組み込まれた魔鉱石が使用者及びその近くの魔物娘の魔力の波長の影響を受け、それを固有のチャンネルのようにして通信することができる。

 そのため、この通信機は魔物娘にしか扱えないため、万が一人間に奪われても問題がない。


 よし、これでいい感じかな。あとは…そうだな。今の間に島の魔物たちの魔力を少しずつ分けてもらって、この魔鉱石に魔物娘の登録をしておこう。こうすることで、この魔鉱石はこの中に登録されていない魔物娘の魔力の波長を感知することができるようになる。

 あとは…これをペンダントのようにしておけば…うん、いい感じ。


 そろそろソフィアが本土に近づいているときかな。


 「…あ、あ、聞こえるか?ソフィア。」


 わかっている。これが一方的な通信だということは。それでも、それでも大仕事に向かう彼女にとって少しでも心の支えになれれば―


 『フィオナ?聞こえるよ。これってさっき渡してくれた通信機?』


 ―聞こえてきたのはソフィアの声。絶対に聞こえてくるはずのない、彼女の声。

 なぜ?何が原因?様々なことが一瞬のうちに脳裏を駆け巡る。


 「…あぁ、そうだ。聞こえているようでよかった。どうだ?もうすぐ着きそうか?」

 『うん、もう港が見えてるよ。』


 ―ありえない。そんなはずは…。


 「そうか。じゃあ、アウリスの救出、頑張ってくれ。朗報を期待してるよ。」

 『ありがとう、フィオナ。じゃあ、またあとで。』


 通信が切れた。確実にソフィアの声はこの通信機の向こうから聞こえてきた。

 魔物娘しか扱えないはずの代物なのに。なぜ、君は…。


 ソフィア・ノヴァ、君は…誰なんだ?

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