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惑星を越えてでも君を探す  作者: 橘晴
第一章「異世界入門編」
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7話「馬車」

自分、絶対馬車で酔う自信があります。

 荷台には多くの荷物が積まれていた。その中には、毛皮や宝石のようなものがあった。

 毛皮は麻ひもで結ばれ、積み上げられている。サバーカの黒い発色のものから、茶色、白といった様々な色の毛皮があった。どれもふわふわしていて、たまに足に当たると気持ちがいい。

 宝石は、ジャックがサバーカを倒した後に割っていたものだ。

 サバーカから取っていた宝石は赤色だった。だが、ここには他にも青や黄色といった様々な色の宝石があった。それぞれ大きさや形は異なり、すべて半透明で、光が当たると鮮やかに発色し、輝いた。

 彼らは、この毛皮や宝石を売って生活しているのだろうか。もしそうであるなら、いつもあんな怪物と戦っているのか?元居た世界の尺度で考えると、命がいくつあっても足りそうにない。

 ところで今俺はどういう状態にあるのかというと、それはもちろん馬車で移動中だ。

 俺は荷物の横でサラの隣に座っていた。荷台ということもあって、硬い木の上に体育座りの状態で座っている。少し態勢がつらかった。

 しばらく馬車が走ったのち、最初に口を開いたのはサラだった。

「で、何から知りたいの?」

 突然の会話の開始に俺は少したじろぐ。

「じゃあ、まずはさっき言ってた、精霊ってやつから、お願いします」

 俺は頭を下げた。

「精霊ね―――、精霊っていうのは体内に吸収して放出することでいろんなことができるもので、私たちにとってとても重要なものよ」

「それで?」

「それでって?」

「え、もっと詳しくっていうか……」

「え、終わりだけど……」

「え……」

 五秒もかからないで説明が終わった。一切、分からなかったのだけれど。普通はこれで理解できるものなのだろうか。

 冷蔵庫はね、中にモノを入れると冷える機械なんだよ。そういうレベルの説明だった。

 これは彼女の素なのか?それとも俺と話すのが嫌だからなのか?

 後者だったら、泣くぞ。

 しかし、ここでベスターが助け船を入れてくれた。

「サラ、それじゃ何も伝わらないぞ。一からしっかりと教えてやれ」

「え、今のじゃ伝わらない?」

「ああ、全然足りない」

「嘘、わかると思ったんだけど」

 素でした。

「みんなサラみたいに頭がいいわけじゃないんだ」

「そうだよ、特にユウタは何一つわからないんだからなおさらだよ」

 ん?ベクター、ジャック?それは間接的に俺のことバカって言っています?

 間接的に挑発していますか。やりますか?

 俺が二人の発言に少し違和感を持っているとサラが「わかったわ」と言って説明の続きを始めた。

「そうね、じゃあ基本的なところから、しっかりと全て教えればいいんでしょ」

「街まであと四時間ぐらいある。それならちょうどぐらいだろう」

 あっ、四時間でちょうど。そんな難しい話なんですか?

 俺、ついていけますかね?メモ帳とかあればほしいんですけど……。後お尻の方もだいぶつらいのですが、大丈夫でしょうか。

 でも、さすがにお尻が痛いので休憩してもいいですかとは言えず、サラの説明が始まった。

「精霊っていうのはね――――――」


精霊とは……

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