いつも集まるメンツは将来の幹部候補生みたいなもん
そして、深夜になると大広間にいつものメンバーが集まった。
そして女子高生ながら忍者の棟梁の柚花を中心に重大な話し合いが始まった。
「やっと集まったね。いつものメンバーが・・・」
いつものメンバーとは柚花以外に・・・
戦国期から忍者の棟梁である望月家の右腕として活躍する上忍の家系である近本家の千歌・・・。
望月家の左腕と言われる名門高橋家出身で身体能力だけなら柚花の次に強い春奈・・・。
先祖代々医者と忍者の家系である天才の一族と言われている岩崎家の優・・・。
先祖代々下忍の一族ながらも『愛』と『義』を大事にして生き抜いてきた熱い漢の一族である桧山家の進次・・・。
そして最近、柚花に拾われた一般人出身の快男児、高山俊一。
この5人が大広間に集まる。しかし・・・。
「ちょっと待って!?もしかして俺、いつものメンバーの中に入っている!?よっしゃっー!!」
高山は嬉しくてその場でガッツポーズをして立ち上がる。
「俺さ、ずっと指紋消すために変な薬に手を突っ込んでいたりさ、山を走ったりして仲間扱いされていなかったと思っていたんだよ。でも柚花ちゃんは俺の事をいつものメンバーに入れてくれた!スゲー嬉しいっ!」
まだ柚花が何も言っていないのに勝手に1人で喋りまくる高山は『仲間』扱いしてくれるだけ嬉しいみたいだ。
「まぁ一応ね。高山くんも含めて、今日ここに来てくれたみんなは将来の幹部候補生だよ。普段から集会に来ない人が幹部になんてなれないしね。」
はしゃいでいる高山を特に注意せずに柚花は当たり前なことをいう。
いくら実力や家格があろうと集会に顔を出したり、任務をしない人は絶対に幹部にはしない。柚花は実力や家格よりもヤル気が一番大事と思っている。
特にこの現代社会では忍者なのに忍者の任務や集会に来ない人が多すぎるのだ。いくら忙しくても、そんなヤル気のない人は幹部には出来ない。
「さて、みんなに来てもらったのは他でもない。極道に手を貸しており、かつてあたし達の仲間だった喜田くんの処遇を話し合う為だよ。あたしは忍者の掟に従って海に生きたまま沈めるのが良いと思うけど・・・」
そう言って柚花は隣の部屋から縄で縛っている喜田を引きずって連れてきた。
喜田の変わり果てた姿を見て、優と桧山はゾッとした。
喜田はこの後、海に生きたまま沈められると思うと怖くて、その事ばかり考えると顔に生気が無くなってくる。そんな生気の無い顔を見て優と桧山は怖く感じた。
特に喜田と同世代で仲良かった優と喜田を弟のように可愛がっていた桧山は何とも言えない気持ちになる。