目隠しされて連れて行かれた場所は・・・!
「さぁ早く乗った乗った!」
「ちょっと!腕引っ張らないでよ!」
小野寺が呼び付けた車に無理やり乗せられる柚花。腕を引っ張って車に乗せようとするもんだから柚花はキレた。
「腕引っ張るなって言っているのが分からないのっ!?」
あんまりにも腹が立つもんだから柚花は軽く小野寺の腹を殴る。
「げふぅっー!!」
ちなみ忍者の柚花の軽く殴るとは一般人からするとボクサーの全力のパンチみたいなものである。そんなパンチを腹で受けた小野寺は思っきり苦しむ。
「うげっー!ごほっごほっ!」
そして苦しむ小野寺に柚花はいつもの様にニコニコと笑顔で「ゴメン。あまりにも強引だったからうっかり殴っちゃった♪テヘペロ♪」と謝る。
「うっ・・・!分かった・・・!早く乗れ!ゲフッ!」
小野寺からするとボクサー級のパンチをかましてくれた柚花なんてブチ殺してやりたいと思っていたが、桜井に紹介しないと自分の命が危ない為ここは我慢をしておく。
車に乗ると隣に座ってきた小野寺は偉そうな態度で運転手に命じた。
「桜井さんがいつもいるクラブに行け!」
言い方がめっちゃ偉そうで感じが悪い。恐らくさっき柚花から食らったパンチの痛さで不機嫌なのだろう。すると小野寺は真っ黒なサングラスを取り出す。
「ちょっと君、眼鏡外してこのサングラス掛けてくれない?」
「えっ?」
小野寺は柚花から眼鏡を奪って無理やりサングラスを掛けさせる。
「な、何このサングラス!前が見えないんだけどっ・・・!ちょっと外して良い!?」
このサングラスを掛けたら目の前が真っ暗になった為、柚花は怖くて動揺した・・・フリをした。
「外しちゃダ〜メ♪君には目的地に着くまで目隠し状態になってもらうよ♪」
柚花は動揺して混乱しているフリをしながら目隠しされた冷静に考えた。
いや、冷静にならなくても分かる。単純に一般人の人に知られちゃ駄目な場所なのだ。
つまりコレから行く場所は半グレ集団の行きつけのバーかクラブだろう。
それから車で30分ほど走ったところで柚花は車から降ろされる。
「ほら、降りて。」
小野寺にサングラスを渡して眼鏡を返してもらうと、柚花は眼鏡を掛ける。
「あぁ・・・ここか。久しぶりに来たな。」
柚花の目の前に見える建物は昔、任務で行ったことがあるクラブだ。
昔・・・柚花が小学5年生の時に任務で暴力団を皆殺しにした建物である。
「ここ・・・新しい買取先見つかったんだね♪」
この建物は暴力団が柚花によって皆殺しにされた場所で心霊スポットにもなっている場所である。
どうやら取り壊されずに新しい買取先が見つかってクラブとなっているみたいである。