桜井が貧相貧乳の女子高生を求めてるってよ!
「ただいま〜!」
メッセンジャーが最高の情報を聞いて帰って、時刻は既に午後6時前である。
学校が終わった柚花は帰宅して、これからおじいちゃんと店番を代わる。
しかし、その前に報告だけはしようとメッセンジャーは柚花の頭に止まる。
「メッセ、どうしたの?」
「お前に最高の報告がある。喜べ!桜井が貧相貧乳の美少女女子高生を求めているんだってよ!小野寺が今、必死に美少女貧相貧乳女子高生探しているんだ!今週末に桜井に紹介しなくちゃいけないと言っていたのを聞いたぜ!やったな柚花っ!」
しかしハイテンションなメッセンジャーと比べて柚花はテンション低く「へー」と一言言うだけであった。
「どうした?テンション低いぞ?」
「だって貧相貧乳な女子高生じゃないと桜井に紹介してもらえないんでしょ?それだと・・・あたしは無理かなぁ」
「いや、おめぇガリガリで貧乳じゃん。紹介してもらえるぞ。」
メッセンジャーのド直球な言葉に柚花はブチ切れた。
「誰がガリガリのド貧乳だって?」
メッセンジャーの首を掴んでゆっくりと首を絞めていく柚花。
「あっ!ごめん!ド直球過ぎる言い方してしまった!」
「あたしは好きでガリガリ貧乳になったわけじゃないんだけど・・・?食べても全然太らないし全然胸も大きくならないだけなんだけどっ・・・!?」
「ああ・・・ゴメンなさい。本当に許して・・・!俺頑張って情報手に入れてきたんだぞ!それなのにこの仕打ち酷いだろ!」
柚花の笑みが怖い。コイツの笑顔は可愛いけど底知れない怖さがある。
「お、お前可愛いしさ?きっと桜井に紹介してもらえるよ。」
すると『可愛い』という単語に反応したのか柚花はメッセンジャーを解放した。
「ん?あたし可愛い?そうかな〜?えへへ〜!!」
「あっ?うんお前は可愛いよ。千歌や春奈と比べて可愛いよ。高校生にしては相当お洒落だしな。」
柚花は忍者の棟梁でめっちゃ強いしリーダーシップもある。メンタルも強いし、物知りだし勉強も出来る。
そんな柚花も高校入学したての15歳である。
そんな年頃の女の子だ。可愛いと言われると素直に嬉しいし、お洒落と言われると何だか大人になった感じがする。
「そっかそっか♪あたしは可愛いか♪メッセ、さっき言ったガリガリ貧乳という発言は許してあげよう。その代わり2度目はないからね?」
メッセンジャーに一言言うと柚花は嬉しそうな顔をして私服に着替える。
「ああ・・・」
今まで柚花に何度も貧乳と言って怒らせているがなんだかんだで柚花は許してくれている。
そんな優しい柚花に対してメッセンジャーは特にありがたいとかは思わなかった。
メッセンジャーの頭の中には「貧乳に貧乳って言って何が悪い」という考えがあるからである。