大学に忍び込むメッセンジャー
メッセンジャーが忍び込んだ帝国滋賀大学とは・・・滋賀県に2校しかない国立大学の一つ。全国から学生が集まっており、一応ではあるが柚花や千歌も進学希望している大学である。
・・・であるのだが、帝国滋賀大学が大津キャンパスと彦根キャンパスに分かれていることをメッセンジャーは知らずに彦根キャンパスに来た。
「何かさ・・・思ったより大きくねぇな、この大学。規模が小さい気がする。まぁ俺、大学を見たのは今回が初めてだから分からねぇーけど」
一通り大学のキャンパス内を飛び回ってみたメッセンジャーの感想だ。
「そんな事よりキャンパス内を歩いている人が少ないのはなぜなんだぜ?」
キャンパス内を右を見ても左を見てもガラッガラである。もしかして今日は休みなのか?いや一応人は歩いているから、それはないだろう。
メッセンジャーはふとキャンパス内に設置されている時計を見る。
今の時間は10時。ちょうど大学の講義が始まっている最中だ。
「ちっ!授業中かよ!人が沢山集まる昼休みまで待たねぇと駄目か・・・!面倒くせぇな」
ブツブツと文句を言うメッセンジャーではあるが、大学に来たのは初めての為、色々と見てみたいという好奇心が湧いてきた。
「しゃーない!せっかく大学に来たんだし見学してみるか。柚花の代わりに!」
ウキウキ気分で大学内に忍び込むメッセンジャー。
大学施設の中を堂々と飛び回るとチラホラと見えるガラガラの教室。
そのガラガラの教室を覗いてみると、誰もいないのを良い事に昼寝をしているヤツとか、グダグダと駄弁っている女の子達とかがいる。
「なるほどな。大学って自分で授業を選んだりするって聞いたことあるな。授業の無い空き時間もあるとか。て事は空き時間は使っていない教室で駄弁る人が結構いるんだろうな。」
メッセンジャーは一つ賢くなった。
「さて、行くか。」
メッセンジャーは次の教室に行こうと飛ぼうとした時、近くにある空き教室から大きな声が聞こえてきた。
「でさー!俺があの女を口説いてやったんよぉっ!」
「流石、小野寺くんっ・・・!モテモテですねっ・・・!」
「よっ!我が大学1のモテ王ッ・・・!」
「今度オラにも女を紹介してください小野寺様ッ・・・!」
頭の悪そうな会話が聞こえてきたからメッセンジャーはコッソリとその教室へと忍び込んだ。
「さっき小野寺って言ったよな?もしかして・・・?」
メッセンジャーは念の為、机の下に隠れて馬鹿そうな会話を聞いてみる。