メッセンジャーの諜報活動
次の日の朝・・・。
「あたし、これから学校だから行ってくるね!メッセ、小野寺の居場所調べるの忘れないでね♪」
「おう、分かったよ。やってやらぁ」
今日も柚花は元気に部屋を出て行った。
いつも朝からテンションが高い柚花の相手をしていると疲れてくる。
普段、柚花が家にいない間メッセンジャーは町中を飛び回って情報収集をしているのだが今回、柚花に言われたのは顔も知らない小野寺って奴の居場所を調べろとの事。
「無茶を言うなよ柚花の奴・・・。顔と知らない奴の事なんて調べれるわけないだろ・・・。」
しかしメッセンジャーは昨日の夜、柚花と約束してしまった。パンを貰う代わりに小野寺の事を調べろと。
その事について今後悔しているところだ。
「まったく・・・!小野寺って名前なんてどこにでもいるし調べてたらキリがねぇぜ。」
とか何とか言っているがメッセンジャーは部屋の外を出ようと、窓の鍵を嘴で解除してゆっくりと窓を開けて外へ出る。
「でもしょうがねぇよな。親友との約束なんだからやらなきゃならねぇ。それが俺の義ってヤツよぉ」
ゆっくりと部屋の窓を閉めて、メッセンジャーは空に羽ばたいていく。行く先は彦根市である。
メッセンジャーは休みながらゆっくりと彦根市まで飛んで行った。
彦根の町を見てメッセンジャーは「良いね。可愛い女子大生が沢山いる♪」とニコニコしながら女の子を観察していた。
しかし、そんな事をしていたら柚花に焼き鳥にされてしまう。メッセンジャーは女子大生観察をほどほどにしてお目当ての大学へと行く。
この前、柚花と任務で行った場所は帝国滋賀大学の生徒が多く住むアパートだ。というか、この辺は殆ど帝国滋賀大学の学生が住んでいる。
彦根市唯一の大学で、この辺に住んでいる人は県外からはるばる滋賀へと来た人ばかりだ。
ここでメッセンジャーが助かったと思ったのは小野寺って奴の通う大学が帝国滋賀大学と分かっていたことである。
柚花が言うにはこの前の任務で殺したアプリ開発者は大学で小野寺って奴と知り合ったと言っていたらしい。
と言うことは小野寺も帝国滋賀大学に通っているわけだ。
「つまり、帝国滋賀大学に侵入して小野寺って奴の名前を片っ端から調べて探して見たら良いってわけだ。」
しかし、問題なのはそれがかなり大変なお仕事という事である。
小野寺って名前なんて結構いる名前だし、帝国滋賀大学は滋賀で一番大きい大学。大きい大学ということはそれだけ生徒の数が多いということである。
でも仕方がない。親友との約束なのだから。
メッセンジャーは覚悟を決めて帝国滋賀大学へと飛んで行く。