人の家に忍び込んでこその忍者だよ!
春奈は無事扉の鍵を開けると柚花の方を見る。
「柚ちゃん!どうかな?良い感じで開けることできたよ。」
小声で春奈は柚花に聞くが柚花の顔は渋い表情であった。
「70点といったところかな?鍵穴に針金入れる時、勢い良く差し込みすぎ。下手したら大きな音がして家の中の人や周りの人に気付かれるから気をつけるように。これ一歩間違えたらみんなに迷惑かかることにあるからね。」
「うー、気を付けるよ・・・。」
意外とハッキリと厳しくいう柚花。忍者は任務の為、生き抜くために棟梁から厳しく指導を受けるのだが柚花も歴代の棟梁と変わらず厳しく若手に接している。
これは意地悪で厳しく言うわけではなく本人の為、仲間の為である。
少し落ち込んだ表情をして春奈はゆっくりと部屋に忍び込む。
まだ中学3年生の春奈ではあるが忍者として子供の頃から厳しく教育を受けてきた。人の家に忍び込むのなんて朝飯前である。
春奈が忍び込むとその後に続いて柚花も部屋に忍び込む。
すると柚花は春奈の肩を手でポンと叩くと柚花は囁くような小さい声を出す。
「春奈ちゃん。部屋にいる人の気配が分かるよね?何人くらいだと思う?」
「え・・・?3人?」
「違うよ。5人。」
柚花は春奈に部屋にいる人数を聞いたが、これも忍者として必要な技術である。
部屋に人が何人いるのか?動物が何匹いるのか?が分からないといけない時がある。
部屋にいる5人を他所の家の人に気付かれずに皆殺しにする為にはどういった作戦を取れば良いのか・・・など『殺し方』を考える時には物凄く大事な技術である。
「まぁこの技術はなかなか難しいからね。でもそろそろ出来るようになろうね?」
「うっ・・・ごめんなさい。」
春奈は部屋に何が何人いるのかを当てるのがものすごく苦手である。気配の察知が下手なのだ。
「まぁ、仕方ない。じゃあここからはあたしが前に出るね。」
すると柚花は春奈の前に出てコッソリとリビングに行くと・・・ガラの悪そうな金髪の不良?半グレ?みたいな人が2人いて2人とも寝ていた。
すると柚花は普通に歩いて不良の背後に行き、近くにあったボールペンで不良の喉を刺して声を出せなくした。
「っっ!」
声が出せなくて不良は苦しんでいるが、続けた柚花はボールペンで両眼を刺し、その後に足を思いっきり蹴って不良が身動きを取れないようにした。
「春奈ちゃん!あたしと同じ事すれば良いから。」
春奈は忍者の英才教育を受けたとはいえ、まだ中学3年生だ。現代の基準では基本的に忍者は高校卒業するまでは半人前である。
いくら英才教育を受けたとはいえ、殺しに躊躇うのは真っ当な人間なら当たり前のことである。
なので棟梁である柚花がしっかりと見てあげなければならない。
え・・・?柚花も高校生だから半人前だって?
柚花ちゃんは棟梁だし、精神的にも技術的にも常人離れしているから大丈夫です♪