例え学生でも殺しの匂いがする者は殺す
そうして歩いていくと柚花達2人はアパートに辿り着いた。
「春奈ちゃんが調べてくれた住所によるとここだよね。」
一見普通のアパートである。周囲にはお金持ちそうな家が多く、駅もあるしバス停もある。少し歩けばスーパーやコンビニ、カラオケ屋なども有り、大学生が住むとしては最高の立地である。
「うん。でもその住所はアプリを開発したパソコンのある住所だから、本人がそこに住んでいるとは限らないよ?友達とか怖い先輩の家で、そこで無理やりアプリ開発をやらされていた・・・なんて可能性もあるし。」
「その通りだけど、こんな怪しいアプリを開発しているんだから例え脅されて作らされていても許すわけにはいかないよね。これでどれだけの人が被害に遭って死んでいるのか、その苦しみを味合わさせてあげないと。」
今この時、柚花は物凄く怖い顔をしていた。顔はいつもの如くニコニコしていたが、その笑顔から殺気が滲み出ていた。
「と、ところで柚ちゃん?服はこのままで良いのかな?くノ一装束に着替えたほうが良い?」
春奈は履いているスカートの丈が長くて戦闘向けでは無いことを気にしている。
「え?なんで?」
しかし柚花もスカートを履いているが、そんな事まるで気にしていなかった。
「春奈ちゃん、人目の多い昼間の任務は私服で良いよ。むしろくノ一装束は目立ちすぎるよ。明るい内は私服の方が誰も警戒しないし、あたし達女の子は更に警戒されにくい。安心して!」
しかし春奈はそんな事を気にしているのではない。
「私は戦いになった時の事を気にしているんだよ?このスカートじゃ戦いにくくない?私こんな丈の長いスカートで任務なんてした事無いし、訓練でも履いたことないもん・・・。強い敵に会ったら負けちゃうよぉ。」
圧倒的な力を持っておきながらも春奈は不安そうな顔をする。
確かに極稀に一般人でも物凄く強い化け物みたいな人はいる。しかしそんな化け物は一般人一万人居て一人居るか居ないかの割合である。
「春奈ちゃん安心して〜♪もしそんな敵が現れたらさ、あたしが葬ってあげるから♪」
物凄い自信だが、それだけの強さを柚花は持っている。
生まれてからお父さん以外に負けたことがない圧倒的な強さは恐らく歴代の忍者の中で最強と言われるほどの実力を持っている。
だからいつも堂々としており、自信満々なのである。
だからいつも笑顔で、みんなから好かれているのである。
だからいつもどんなグループでもリーダー的な存在なのである。
だからみんなは柚花の事を尊敬し、ついて行くのである。