犯人は大学生?
柚花と春奈は大事な話をする時に使う広間に行く。
「春奈ちゃん、ありがとう。受験勉強で忙しいのに本当に助かったよ。」
柚花は春奈に頭を下げてお礼を言う。柚花は忍者の棟梁だが春奈達を部下の様に扱ったりはしない。故にしっかりとお礼はする。
「良ーの!柚ちゃんの為なら全然平気だから!」
すると春奈は手提げバッグの中から資料を取り出した。
「これ。あのアプリを解析した結果だけど、どうやらこのアプリを作っているのって大学生らしいの。滋賀県内の大学生らしいね。」
その資料には難しい専門用語などが書かれていて柚花には全然理解できなかった。
「う〜!あたしパソコンとか機械とか滅多に使わないから良く分かんないよぉ・・・」
「柚ちゃんに分かりやすく言うならこの資料にはアプリを開発した場所やどういう使われ方をしたかとか作った人の個人情報などが書かれているの。」
「ふーん?でもアプリを作れるような人が半グレやヤクザにいるとは思えないんだけどねぇ・・・。」
柚花の頭の中にはアプリを開発するような優秀な人が半グレやヤクザに手を貸すとは思えない。
そんな人が半グレに所属するとは思えない。
「どうだろう?ヤクザの中にはインテリヤクザって言って帝国なにわ大学出身の高学歴もいるし、半グレにもそういう人居そうじゃない?」
「うーん、言いたいこと分かるけどヤクザと半グレは根本的に違うからねぇ・・・。あたしはヤクザは下っ端ヤバい人ばかりだと思うけど上層部は割と常識人というか・・・頭良い人ばかりだと見ているんだ。馬鹿ばかりだと組織として成り立たないしね。でも半グレ集団は地元の悪い先輩とツルんで出来た組織ってイメージがあるの。」
これは今まで柚花が忍者として任務をしてきて感じた事である。無論、柚花の感じたことなので違うこともあるが1つの考え方と思っていた方が良い。
「でね・・・?あたしの考えではもしかして半グレさん達は大学生を脅してアプリを作って貰っているんじゃないかなぁって思うの。半グレさん達は本当に無法者で筋なんて通ってない人ばかり。言いがかり付けて脅している可能性はあるよ。」
「あっー・・・何となく分かるぅ。私の学校でもガラの悪い人がおとなしい人を脅したりしているもん。柚ちゃんの言っている事は十分可能性あるよ!」
春奈のその言葉を聞いた柚花は広場に置かれている柚花の家の家宝ともいえる刀を手に持つ。
「じゃあ決まりだね。とりあえず今からこのアプリを作った主のところへ行く。そして、居なかったら・・・」
「半グレやヤクザに捕まっている可能性があるって事かな・・・?」
「その通り!じゃあ春奈ちゃんすぐに準備して!」
柚花に急ぎ気味にそう言われるとダッシュで準備にうつる春奈。そして柚花が急いでいる時は大きな仕事になるから気合も入るのだ。