えっー!?千歌ちゃんは来てくれないのっー!?
次の日、わざわざ真っ昼間から春奈が屋敷に来た。もちろんこの前、柚花に言われた闇バイトの指示役が使うアプリの件のことである。
春奈は真っ昼間なのにわざわざ奈良県からくノ一装束を着てダッシュできてくれたみたいで、柚花と高山と千歌は玄関まで出迎えに行っていた。
「柚ちゃん!こんにちわ!」
女子中学生の笑みを見て高山はニンマリと笑う。こんな小さくて可愛い美少女の笑顔を堪能出来るなんて最高だ。
「春奈ちゃんよく来たね!」
すると柚花は春奈に抱きついて頭をナデナデする。
「昼間からくノ一装束着て来るなんてヤル気満々で偉い偉い!」
「わー!柚ちゃんから抱きついて来てくれたー!嬉しい♪」
柚花と春奈、2人の美少女が抱き合ってイチャイチャするところを高山はジッーと見ている。
こんな素晴らしいシーンを見ることが出来て高山は嬉しくニンマリを通り越して涙が出てくる。可愛い女の子同士がイチャイチャするところって凄く尊いし、ずっと見ていたくなる『何か』がある。
しかし柚花は春奈とイチャイチャしているところを高山にジッーと見られているのに気付いたのか、すぐにイチャイチャするのをやめる。
「高山くん。君は今からいつものトレーニングをしなさい。」
「えぇっー!!そんなぁっー!!もう少し春奈ちゃんを見ていたいっー!!」
可愛い女子中学生をいつまでも眺めているつもりだったのに柚花から地獄のトレーニングを命じられるとは高山もショックだ。
「まったく。高山くんってそんなに女子中学生が好きなの?それはちょっと気持ち悪いよ。」
高山の胸にグサッと何かが刺さった様な感じになった。柚花の言葉がまるでナイフのように高山の胸を抉った・・・そんな感じである。
「き、気持ち悪いって・・・。もう良いや。トレーニングしてくるよ・・・。」
気持ち悪いって言われて凄くショックな気持ちになった高山は放心状態の様な感じになり、さっさとこの場から離れたい気持ちであった。
「ちょっと待って!柚ちゃん!私、高山くんのトレーニングに付き合うよ。高山くん、また崖から落ちるかも知れないし・・・。」
「え?千歌ちゃんは任務に来ないの?」
「うん、高山くん放っておけないし。知らないところで大怪我になる可能性もあるし。」
「なるほど・・・。確かに高山くんを一人にするわけには行かないね。うん、分かった。高山くんのお守りは任せるよ!」
柚花がそう言うと千歌は高山の手を取って外に出ていく。
「さっ!高山くん外に出よう!」
「う、うん!」
何が何だかよく分からず高山は手を引っ張られて外に連れ出されてしまう。
そんな2人の様子を見ていた春奈は興味津々な顔で柚花の方を見る。
「あの2人デキてるの?」
「う、うーん?どうだろ?千歌ちゃん面倒見良いし、ただ単に高山くんが放っておけないだけだと思うけどなぁ?」
「そうなのかな・・・?」