遂に闇バイトの指示役を見つけたぞ!
その日の晩・・・。いつもの如く柚花は高山の様子を見に屋敷に行っていた。
「アレ?千歌ちゃん?どうしてここにいるの?」
柚花はまさか千歌が屋敷にいるなんて思わなかったから少し驚いている。
「いや、あの・・・高山くんが1人で特訓出来るか不安で様子見に来ていたの。」
「あぁ・・・なるほど〜。確かに高山くんは1人だとまたサボるだろうしね。やっぱ監視役は必要だよね!それでどうだった?高山くんでもこれくらいの特訓は余裕でしょ?」
生まれつき馬鹿みたいな身体能力とセンスがある柚花は一般人がこの特訓をするのにどれだけ大変なのかを分かっていないみたいであった。
「ちょっと厳しいかな。誰かが見ていないと下手したら死ぬかも。今日も崖から落ちたしね。」
それを聞くと柚花は腕を組んで考える。どうすれば一般人の高山にも簡単に出来る特訓のメニューになるのかと。
「うーん。やはり難しいね。一般人の為のトレーニングって。部活の延長みたいな感じでは絶対に成長出来ないし・・・。仕方がない。コレからはあたしか千歌ちゃんがいる時だけ特訓することにしようか。」
それを聞いた千歌はホッとした。高山1人で崖を登ったり降りたりなんかしたら危ないし、千歌的にはコレで良かった。
「ところで高山くんは?」
「特訓でヘロヘロになったから部屋で寝ているよ。流石に今日は起きておく体力無いと思うよ。」
「そっかぁ・・・。まぁ今日くらいは寝させておこうか。高山くんも良く頑張ったもんだよ。」
そう言って柚花は台所へと行く。
「あ、柚ちゃん!」
「なぁに?千歌ちゃん。」
「いや、柚ちゃん今日は機嫌良いなぁっておもって・・・。」
すると柚花は「ふっふっふ」と笑い出す。
「良く気がついたね。実は春奈ちゃんから連絡が来てね。闇バイトの指示役が作った特別なアプリの解析が終わったみたいなんだよ。春奈ちゃんが遂に闇バイトの指示役の人を見つけたらしい。」
「じゃあ・・・!」
柚花はコクリと頷く。
「遂に闇バイトの指示役やその他悪党どもを処す時が来たんだよ。明日は日曜日だから昼間から春奈ちゃんが来てくれるから、あたしと千歌ちゃんと春奈ちゃんで闇バイトたちを狩りに行くよ。」
僅かだが柚花の身に纏うオーラが変わった。いつもはニコニコと笑顔を絶やさない明るい雰囲気であったが、それが僅かに変わった。
笑顔でニコニコと明るい雰囲気ではあるがどこか怖い・・・そんな感じのオーラ。一緒にいるとどこか不安になる・・・そんな感じ。
だが、明日にでも悪党を血祭りにするのだから当たり前といえば当たり前である。