忙しくて目が回る〜〜〜〜〜
現在12時30分・・・既にお昼のピークを迎えていた。
「はい、ハンバーグ定食になります!あっ、お飲み物の注文ですか!?はいコーヒーですね?分かりました!」
「はい!こちら焼肉定食になります!」
「あっ!申し訳ありません!すぐにコーヒーお持ちします!」
久し振りに柚花の喫茶店の手伝いをする千歌は大忙しでてんてこ舞いだ。
だからうっかり注文を忘れたりもするが、そんなのは飲食店あるあるである。やっちゃあ駄目な失敗なんだけどね。
そんな様子の千歌を見て柚花はしっかりと声を掛ける。
「千歌ちゃん大丈夫?あたしが接客代わろうか?」
「いや、大丈夫だよ。久し振りだから少し混乱しただけ。今度は失敗しないから!」
この程度の忙しさは忍者である千歌には余裕なのだが、やはり久し振りに手伝うと混乱しがちである。
高校受験で勉強が忙しくてしばらく手伝えなかったのが響いている。
しかし千歌はそんな失敗にめげずに頑張って接客をする。
さっき柚花が心配して「代わろうか?」と聞いてきたが、千歌は大人しそうな顔をして接客が大好きである。
大人しくて人に興味なさそうな顔をしているが本当は人に興味津々でお話とか実は大好き。
今日はまだ来ていないけど、よく常連のお客さんと話したりするし接客をすると活力が出る感じがするのだ。
しかしそれは柚花も同じである。柚花も接客が楽しいタイプである。
だが逆に料理をずっとするのが苦手だ。誰とも喋らずに黙々と料理をする。しかも忙しいと凄く目が回る感じがする。
「忙しいよぉ〜〜〜。目が回っちゃうよぉ〜〜〜。」
小さな声で柚花は弱音を吐く。しかし千歌はおろか近くで料理をしている紅葉にも声が聞こえていない様子だ。
「はぁ〜〜〜。だよね〜〜〜。忙しいから誰にも聞こえないよね〜〜〜〜。しょうがない〜〜〜。」
そんな状況だから柚花は軽くため息をついて覚悟を決める。
1時30分になれば恐らく少しは落ち着くと思うから柚花はあと1時間覚悟を決めて集中して料理に行うことにする。