日曜日の店番は大変なのです!
高山くんが薬の入った桶に2時間手を突っ込んだのを見届けた後、大急ぎで柚花は家に帰っておじいちゃんと店番を交代する。
おじいちゃんは本日、昼前からパチンコです。
本来なら大好きなパチンコを毎日一日中打ちたいのだけど、まだ学生の柚花達に店番を毎日やらせる訳にはいかないので普段はパチンコを我慢している。
しかし一カ月に一度1日丸々をパチンコに費やしたくなる日があり、その日は柚花たちが店番を代わってあげている。
「まぁでも、おじいちゃんも毎日店番していたら疲れるし息抜きも必要でしょ。」
正直高校生の柚花にとって日曜日の店番は面倒だ。宿題や勉強もやらなきゃいけないし。
でも柚花が今こうして生活出来ているのはおじいちゃんが毎日喫茶店で働いているからだ。そんな年老いたおじいちゃんを少しぐらいは楽をさせてあげたいと思う時もある。
そして柚花は私服の上からエプロンをして可愛らしい頭巾をかぶってニコニコと笑顔で店番をする。
今日は昼間と夕方が忙しい為、妹の紅葉と千歌にも手伝ってもらうことになった。
妹の紅葉は毎日柚花と一緒に店番しているけど千歌は忙しい時だけ一緒に店番をしている。
「柚ちゃんと紅葉ちゃん、今日は宜しくね?」
今の千歌は忍者として活動しているときみたいな感じではなく、普段学校でいる時と同じおとなしい人雰囲気である。
「千歌ちゃん!凄く助かるよ!ありがと〜♪」
忙しい日に来てくれるのは凄く助かる。その嬉しさのあまりに柚花は千歌に抱きつく。
「ちょ、ちょっと柚ちゃん!?急に抱きつかれちゃ困るよ・・・。」
客がたくさんいるところで抱きつかれると恥ずかしくなっちゃう千歌だが柚花はそんな事気にせずに千歌に感謝する。
「わ、私も助かるよ千歌ちゃん。」
小さな声でボソッと呟いた紅葉は柚花と違って淡々と食器の洗い物を始める。
「う、うん!紅葉ちゃん、今日は宜しくね?」
「宜しく。」
素っ気ない。紅葉は柚花と違って実に素っ気ない為、千歌は柚花との温度差に少し戸惑う。
「千歌ちゃんゴメンね〜♪紅葉ちゃん普段から素っ気ない感じだから気を悪くしたらゴメンね。」
「う、うん。大丈夫だよ。ちょっと戸惑っちゃっただけだから。」
千歌は昔から定期的に紅葉と会うことが多かったが柚花と違って少し絡みにくい印象があり、あまり話した記憶がない。故にどう接したら良いのか困ることがある。
「じゃあ千歌ちゃんは接客してもらおうか?あたしと紅葉ちゃんで料理するよ♪」
「うん、分かったよ。」