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薬に対する反応はみんな違うんです

「この薬、多分新しいヤクだと思うけど余り今までのヤクと変わらないんだよね。」


柚花は薬の入った袋を開けてペロッと舐めてみる。


「うーん・・・やっぱり。従来のヤクと成分自体はまるで変わっていないね。」


柚花が薬を舐めたところを見て高山は「コラっ!」と柚花に向かって怒る。


「柚花ちゃん!ヤクなんか口にしたら駄目だよっ!廃人になっちゃうよ!?滅びへのカウントダウン始まっちゃうんだよ!?」


本気でブチ切れる高山を見てその場のみんなはクスクスと笑う。


「え?何?」


そこへメッセンジャーが柚花たちの代わりに説明をする。


「柚花たち忍者はヤクへの耐性がめちゃくちゃ強いんだよ。コイツらは小さい頃に薬に耐性が付くように訓練されているからな。オメェは絶対舐めんなよ?」


「そうだよ。あたし達は小さい頃から鍛えられてきたから大丈夫なの。でも高山くんも指紋が完全に消えたくらいからヤクに対する耐性を付ける段階に行くから安心してね。」


すると春奈はるな千歌ちか柚花ゆずかから渡されたヤクをペロッと舐める。


ゆずちゃーん、これ舌がヒリヒリするよぉ・・・」


春奈はるなちゃんは舌がヒリヒリするんだ?じゃあこれ以上舐めないほうがいいね。」 


「うん、ちょっとうがいしてくる。」


同じヤクを舐めてもみんな微妙に違う反応が出る。薬に対する耐性と体質によるものだ。


「私は何ともないけど。私にはいつも飲んでいる風邪薬と同じ感じだよ。」


たくさん人間が居たら薬に対する反応は全然違ってくる。千歌ちかには全く何も反応しない。



しかしこうやって柚花ゆずかたち可愛い女の子がヤクを舐めているところをみるとやっぱり悪いことをしている様に見える。


「や、やっぱりヤク舐めるのやめない?何だか悪いことをしている様に感じちゃうよ。俺、罪悪感で胸が押し潰されそうだよ!」


高山は可愛い女の子がヤクを舐めるような事をしているのを見ていて罪悪感で胸がいっぱいだ。


高山はアホでバカだけど、そういう心は人一倍ある。


「なぁに一丁前に偉そうな事言っているんだ馬鹿がっ!お前はみんなの足引っ張らないように人の話をよく聞き、分からなかったらちゃんと質問するようにしとけよ。変なことするとまた柚花ゆずかがキレたら困るんだからな!」


「お、おう。今度からは気を付けるよ。」


メッセンジャーはようやくいつもの空気に戻ったのに、また柚花がキレてもらったら困るため高山に怒る。


しかし高山はその言葉を真剣に聞いているのかどうかメッセンジャーにはよく分からなかった。




「まぁ良いかな。柚花が怒るなんて年に一度あるか無いかだし。しばらくは怒らないだろ・・・。」


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