最低限の常識は守ろうや?
しばらくした後、千歌と春奈が合流して柚花は高山を叩き起こす。
「高山くん、起きて〜!」
しかし声をかけても爆睡中で全然起きる気配を感じない。
そこへメッセンジャーが嘴で頭を突っついてしまう。
「起きろやボケ!」
「痛っ!いてぇっ・・・!」
「忍者の招集で寝るとかお前舐めてんだろ?なぁ柚花?」
メッセンジャーは柚花の方を見る。その柚花の顔は少し呆れ気味であった。
「まぁそうだね・・・。でも仕方ないよね。高山くん忍者の上下関係知らないし。」
どこの世界でも上下関係は当然ある。最近は緩くなってはいるらしいが忍者の世界でも上下関係は普通にある。
忍者の上下関係ではとにかく棟梁に対してタメ口を利く奴は痛い目を見ることになる。しかし、これに関しては柚花がやりにくく感じるから大目に見ている。
しかし忍者の招集で寝たりするのは上下関係以前の問題だ。みんな寝る時間を削って集まっているのにスヤスヤとお眠の時間とは何事だ。
「高山くん取り敢えず立とうか?」
「へ?はぁ・・・?」
柚花の言葉に従いその場で立つと柚花の拳が高山の顔面にモロに入る。
「へぶらっ!!」
世代最強くノ一の拳が顔面にモロに入り、派手に吹っ飛んでしまう高山。
「な、なんで・・・?」
高山は頬を押さえながら涙目で立ち上がる。
すると次に柚花は高山の腹に蹴りを入れる。
「ごもぉっっーー!!」
「みんなが眠たくても我慢して集まっているのにスヤスヤと寝ちゃって何考えているの?」
「な、何も考えていないよ。」
「タメ口やめなさいっ!!人が怒っているのが分からないのっ!?」
「はっ、はいぃ!!」
その場で柚花にひれ伏す高山。
「良いかな?高山くんはこの屋敷に住ませてあげているんだから、みんなが来たときはちゃんと起きていること!あたしは上下関係とか敬語とか嫌いだから、あまり厳しく言わないけど最低限の常識くらいは守りなさいっ!」
マジでブチキレの柚花の言葉に高山は「はいぃ!」と少し萎縮した感じであった。