専用のアプリってのがあってだね・・・
「柚ちゃん!」
春奈が手を挙げる。その春奈の顔付きはいかにも自信たっぷりな様子である。
「はい春奈ちゃん、どうぞ!」
「柚ちゃんが闇バイトに応募して潜入捜査的な事したらどうかな?私が闇バイトについて調べた情報だと、闇バイトに応募したら専用のアプリを登録したりするみたい。その組織専用のアプリを使うから指示役の痕跡が残らないようになっているとか聞いたことあるよ。」
「うーん、あたしが?それも良いかもね。専用のアプリとかいうのがよく分からないけど・・・。でも痕跡が残らないんなら、あたしが潜入捜査する必要無くない?どうせ指示役の元へたどり着けないんだから。」
柚花がよく分からないのが専用のアプリというものだ。なぜ専用のアプリを使うと痕跡が残らないのかはよく分からない。
「私はその手のアプリとか機械関係とか得意だから任せて〜!柚ちゃんがそのアプリに登録したら私がそのアプリについて色々調べてみるよ!」
春奈は柚花の力になりたくてウズウズしている様子である。
そこへ専用アプリと聞いて高山が何かを思い出したかのように声を上げる。
「あっ!そういえば俺も専用アプリに登録させられた気がする!」
高山のその言葉に春奈は目の色を輝かせながら高山に近付く。
「高山くん、そのアプリ見せて〜!!」
春奈は興味津々で高山の側に寄って来る。
「お、おい。近づき過ぎだって。ちょっと待って・・・」
中学生の可愛いくノ一に近寄られて困った顔をしている高山ではあるが内心凄く嬉しく感じている。
「はい、これ!このアプリを春奈ちゃんにも送っておこうか?」
「うんうん〜!送って送って〜♪」
このアプリを調べたら指示役の元へ辿り着けるかも知れないと春奈は感じていた。
しかし春奈が闇バイトの専用アプリについて調べようとすることに関して千歌ちゃんこと近本千歌は不安そうな顔をする。
「ねぇ、柚ちゃん?本当に春奈ちゃんに専用アプリを調べてもらうの?もし万が一のことがあったら春奈ちゃんがヤクザや半グレに狙われちゃうんじゃ・・・」
だが柚花はハッキリと断言する。
「春奈ちゃんはそんなヘマは絶対しないよ。それにあたし達忍者は一般人相手に絶対に負けないから大丈夫。」