おいゴリャ!おめぇ誰なんならっ!
柚花の家から少し離れたところにある山。
ここは忍者である棟梁である柚花の家の土地で400年間も柚花の一族が管理している山である。
ここは柚花達忍者の関係者以外立ち入り禁止の場所で山の入り口にも「私有地につき関係者以外立ち入り禁止」の看板を立てているし、定期的に看板も新しいのに変えたりもしている。
しかし!それでも!部外者が面白半分で山に入り込む事がある!
そんな時は山に先祖代々暮らしている熊が追い払ったりしているから基本的に部外者はすぐに山から追い出される。
だから「この男」も部外者では無いはずなのだが・・・。
「おえ!ゴリャぁ!おめぇどこの者ならぁっ!ここは俺らぁの土地ぞゴリャッ!ぶち殺されてぇんかっー!?」
屋敷から大和の怒鳴り声が響く。
「えっ?えっ?」
いきなりの事でソファーで寛いでいた高山はよく分からず混乱していた。
いきなり極道みたいな風貌の巨漢の男が屋敷に入ってきて怒鳴り散らしてきて正直ビビっている。
「おぇっ!どこの者なんならって聞いとんじゃゴリャッー!!殺すぞワリァっー!!」
大和は高山の胸ぐらを掴んで顔を近付けてビビらせる。
「えっ、俺は・・・俺は・・・」
怖くて泣きそうな顔をする高山。大和が怖すぎて身体が震えて動けない。まるで本職の極道と対面している感じだ。
「はよ言わんかゴリャッー!言わんとずっと怒鳴り続けたるぞ!あぁっ!?」
「ひぃぃっ!!」
もうこの時点で高山は目から涙を出しておしっこ漏らしていた。人生で最も怖い思いをするというのはこういう事なのだろう。
「ぼ、ぼくは柚花ちゃんに言われてここに住んでいて・・・あの、えと・・・その・・・」
「あぁっ!?柚花がおめぇ見てぇなクソガキをここに住ませるわけねかろぉーが!てかおめぇ、俺の娘とどういう関係なら!?事と次第によっては東京湾に沈めたるぞっ!!」
ここで一発、大和の軽いジャブが高山の顔面にモロに入る。
「ゴフゥッ!」
このジャブで高山の奥歯が抜けた。
「はよ言わんかっ!?言えんのかっ!?おおぉっ!?」
言いたいけど大和の怖さを前に何も言えない。身体と口が震えて何も喋れない。
「・・・」
ビビり散らして無言の高山に腹を立てた大和は高山の首根っこを掴む。
「おめぇを見とると腹が立ってくる。ハッキリせん男は嫌いじゃけぇ熊の餌になってもらうわ!」
「ひ、ヒィ・・・!ゆ、許して・・・!」
大和はイライラした顔をして高山の首根っこを掴んで屋敷から出て、夜の山へ出ていく。




