いつもの光景
大和と別れて柚花が帰宅すると・・・。毎度の事だが柚花のお店は客で溢れていた。
土日祝日の夕方はいつもお客さんで溢れているのだが、今日はその場に紅葉がいた。
どうやら学校から帰ってきてお祖父ちゃんと店を回していた様だ。しかし、よく見るとお祖父ちゃんと紅葉では上手く回っていない様子・・・。
「お祖父ちゃん、紅葉ちゃんただいま!すぐ準備するからもう少しだけ待ってて!」
「待て・・・!」
着替えるために柚花は部屋に戻ろうとするが、お祖父ちゃんに手を掴まれる。
「何?いきなり手を掴んでさ」
「別に服が汚れている訳じゃないし、そのまま店の手伝いしても良いぞ。」
柚花の手を掴んだお祖父ちゃんは威圧的な声で凄く感じが悪かった。
しかし、お祖父ちゃんの顔をよく見てみると凄く疲れている顔をしていた。まるでゾンビみたいな顔で、余裕がないのが見て分かる。
「うーん、まぁ良いか!分かったよ!すぐ代わるから!」
そう言って柚花は店番に入るとすぐにお祖父ちゃんは姿を消した。
朝からずっと働いているから疲れてしんどいのだろう。最近では腰が痛いとよく言う様になったから無理する前に休憩させてあげないと駄目だと柚花は普段から思っていた。
「さぁ今日も店番頑張りますか!!今日は張り切って客さばくぞ〜!!」
お父さんと会ってプレゼントも買ってもらったおかげで今の柚花は仕事を張り切って出来る状態だ。
「そんじゃあ紅葉ちゃん料理お願い!あたしはいつも通り注文聞きに行ったり料理運んだりをするから!」
「う、うんお願い!」
接客が苦手な紅葉に料理を任せて柚花は嬉々としてオーダーを聞きに行く。