風俗街の英雄
大和は今回の依頼者である蓮花という風俗嬢のいる部屋に行く。
「蓮花ちゃん、俺じゃあ!大和じゃあ!」
力強い声ではあるが、扉をノックする音は実に優しい音であった。まるでか弱い女性に配慮している様なノックであった。
程なくして扉が開く。
「蓮花ちゃん、大丈夫か?」
「や、大和さん」
開いた扉から出てきたのは風俗嬢らしく派手な服を着ている女の子であった。どことなく柚花に似ている顔付きの女の子であった。
「おう、部屋には入らねぇから。ここで話すぞ?」
大和は心に傷付いた女の子の部屋に入ろうとは思っていない。ただ蓮花に報告だけしたかった。
「蓮花ちゃん、おめぇに酷いことした奴はしっかりとお仕置きしてやったから。2度と蓮花ちゃんの前には現れねぇよ。だから安心してくれ」
「ほ、本当・・・?」
蓮花は小さな声で反応する。その声は実に小さくか細く、震えていた。
「本当じゃあ。もう生きている間、蓮花ちゃんが会うことはねぇよ。それだけの事を俺はやったんじゃあ!」
「良かった・・・。私、ずっと怖かったんだ・・・。夜も眠れなくて」
蓮花と呼ばれる風俗嬢はここ最近、指名してくれた男の人に性的暴行にストーカー、その他の嫌がらせを受けており、店長や大和に相談していたのだ。
「安心せぇ。今夜からはスヤスヤ寝れるでぇ!朝までグッスリじゃあ!」
「う、うん!ありがとうございます!」
蓮花の顔に笑みが見えた。それを見た大和は安心して「じゃあな!」と言って去っていく。
大和の仕事は確かに殺人をするとんでもない仕事だ。しかし、全ては横須賀の町のため、人々の笑顔の為に殺人をしているのだ。