中間テスト前日だよ〜〜!!
それから数日後・・・。何事もなくいつもの日常が始まったかの様に思えたが・・・。
「ど、どうしよ〜!!すっかり忘れていたよ!もう明日から中間テストじゃん!」
帰りのホームルームを終わった後、教室で柚花は頭を抱える。
最近、任務で大忙しだったから全然勉強してないから大変だ。柚花は大学進学志望だから高校3年間猛勉強のつもりでいたが全く勉強していなかった。
柚花の家は大繁盛している喫茶店とはいえ私立の大学に行けるほどの余裕はない。故に必然的に国立大学しか選択肢がないのだが、難関な国立大学へ行くなら1年のこの時期から猛勉強をしなければならない。
「どうしたの?柚ちゃん」
頭を抱えて絶望している柚花に声を掛けるのは柚花の親友の千歌であった。
任務で大忙しの柚花と違って高山くんのお守りをしているだけの千歌はきっとテスト勉強完璧なんだろうな〜と柚花は勝手に思っていた。
「千歌ちゃんはテスト勉強余裕そうだよね。高山くんのお守りとか簡単だし・・・」
「簡単なわけないじゃん」
優しい顔をして千歌は殺意のある声色をしていた。
「あの高山くんだよ?最近ずっと高山くんに付きっきりで訓練を手伝っていたけど、高山くんあまりにも鈍くさすぎて毎回崖から落ちそうになるし、山の中で迷子になるし大変だよ・・・」
「あぁ・・・高山くんだもんね」
高山なら仕方が無い。柚花達、忍者の中ではこう言われている。高山は人一倍物覚えが悪いし、学もなければ度胸もないからヘタれ扱いされている。
「まぁ、そんなヘタれな高山だから放っておけないんだけどね・・・♪」
殺意のある声色かと思うと今度は可愛らしい声色になる千歌。柚花は千歌と高山の2人が何だかイケナイ関係なのではないかと心配になってきた。
「あ、いたいた」
柚花と千歌の2人が話していると急に派手な女の子が現れた。
「柚ちゃんに千歌ちゃん!おいっす〜!」
「おいっすー♪」
「お、おいっす?」
2人に元気な挨拶を交わしたのは柚花が高校になって初めて出来た友達の関本若菜であった。
「2人は勉強出来てるかな?私は完璧だよー」
「いや、あたしは全く出来てないよ・・・。ヤバいっ〜!」
「ん、私も全然・・・」
柚花と千歌はこの流れは3人で勉強会とか言いそうだと感じたが若菜はそんな事は口にしなかった。
「ふーん?そかそか〜。まぁ2人とも頑張ってねー。私は余裕があるから少し町をブラブラして帰るよ。じゃね〜」
「え、あぁ、うん。」
するとすぐに若菜はその場から消えるように去って行った。
「な、なんだっだろ?勉強出来ているか聞きたかったのかな?」
「さ、さぁ?」