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北條会の若頭とは

極道ヤクザ達が今回、柚花ゆずかが殺した桜井さくらいの息子の件の犯人探しに奔走している。



特に北條ほうじょう会の若頭が血眼ちまなこになって探している。


北條ほうじょう会若頭・・・北條新九郎ほうじょうしんくろう


彼は関西最大の暴力団北條ほうじょう会の会長である北條十兵衛の息子で北條ほうじょう会を継ぐ者である。


巨大組織の会長になる為には非道で有りながら仲間を大切にしなければならない。特に部下の感情、思いに敏感でなくてはならない。


そして今回、桜井さくらいの子を殺した犯人探しに躍起になっている。北條新九郎ほうじょうしんくろうは子を殺された桜井の悲しみ、無念を晴らしてやろうと思ったのだ。


これも北條ほうじょう会を継ぐ者の役目である。





そして今、北條新九郎ほうじょうしんくろうはある者を事務所に呼び出した。



「おい、情報屋ぁ・・・。おめぇ伊賀忍者の子孫って昔言っていたよなぁ?そんで今でも活動しているとか・・・」


情報屋と呼ばれた背が低く小汚いおじさんはニタニタと笑う。


「へい。確かにその通りです。でも今では活動している伊賀忍者はかなり減ってますな。我々は依頼さえ有れば引き受けますが、年々依頼が減ってきて食っていけんのですわ」


ここで補足しておくと、忍者には伊賀忍者と甲賀忍者がいる。他にも風魔忍者も。


伊賀忍者は主に誰かに依頼されて任務を行うのが生業なりわいで特別誰かに仕えていたわけではない。


逆に甲賀忍者は仕える主君というのが居て、主君に命じられて任務を行っていた。





北條新九郎ほうじょうしんくろうはタバコを吸い、タバコの煙を鼻からフッーと出す。


「ほーん?じゃあ聞くけどな、他の忍者って今でも活動しているんか?ちょっと今回、妙な事件が起きていてな。何が何でも犯人を見つけなければいけねぇんだよ。」


北條ほうじょうのその言葉に小汚い情報屋はピクッと頭が反応した。


「していますね。私の死んだ爺さんは甲賀忍者は数少ないがそれでも今だに活動していると言っていました。国のお偉いさんの依頼を受けることがあるとか。あと風魔忍者は数が少ないから分かりません。・・・まあ、私の死んだ爺さんが言っていた話だから40年前の話です。今は活動していないのかも知れません。何せこのご時世、忍者の活動で生計を立てるのってかなり厳しいですし、そもそも忍者って世間にバレたら何かと面倒が多そうです・・・」


小汚い情報屋は新しい依頼が貰えると思って少し期待した。すると・・・。


「いや、今でも活動しているかも知れねぇな。情報屋、調べてこい。時間は半年以内だ!金ならいくらでもやる!」


すると北條ほうじょうは椅子から立ち上がって事務所にある金庫を開けて札束を小汚い情報屋に投げつける。


「おら、取りあえず100万ある。これで甲賀忍者の存在を調べてこい。」


小汚い情報屋は札束を見ると「ひい・・・ふう・・・みい・・・」とブツブツ言いながら数えだす。


「そ、それでは貰うもの貰ったので行ってきます・・・」


そして金をふところにしまうなり、すぐに部屋から出ようとすると背後から殺気のあるオーラを感じて振り向いた。


「おめぇ、金持って逃げたりしたら死ぬまで追いかけて海に沈めるからな?それだけはよく覚えておけっ!」


物凄く怖い顔をする北條ほうじょうの若頭を見て、情報屋は「へ、へぇ!分かりました!」と頭を下げて事務所を後にした。


「・・・」


その姿を見た北條ほうじょうはどこか情報屋を信用出来ないなと思っていた。

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