山の奥には凄く怖い場所がある
そして1週間後・・・。
喜田は最期に柚花と戦う・・・のだが、その前に喜田は柚花に牢屋から出されて、屋敷のある山の更に奥の方へ連れて行かれる。
柚花に連れられて山の奥の方へ歩くと、何だか負のオーラが強い場所へ出た。
「も、もしかしてこの場所は・・・!」
喜田はこの場所の冷たくて重い空気を感じて思い出した。この場所は忍者の出自の者は必ず小さい頃に見学に訪れる場所だ。
「そうだよ。あたし達忍者が命を賭けた戦いをする場所。」
柚花の山の奥には古くから忍者同士の命を賭けた戦いをする場所がある・・・と同時に大昔は犯罪を犯した忍者の処刑場としても使っていた場所である。
周りには大きな木が沢山立っていて、この周辺だけ太陽の光が入らず暗いのだ。そして冷たくて重たい空気、禍々しい雰囲気・・・。この場所には山に居る動物たちも何かを察して決して近寄らないのだ。
まるで幽霊でも出てきそうな雰囲気、そんな場所に喜田は連れてこられた。
そして柚花に連れて来られた高山、千歌、春奈、桧山、優もこの空気の重さ、禍々しさを感じてしまう。
「久々に来たけど・・・やっぱり怖い〜!」
まだまだ子供な春奈は柚花の隣にピタッとくっつく。
そして初めてこの場所に来た高山はというと・・・。
「あわわ・・・!こ、ここ幽霊いるよ!めっちゃ怖い!この場所だけ空気が違う!幽霊だよ!コレ!俺、見えるもん!霊が!ホラ!あそこにエッチなくのいちの幽霊が見えるもん!」
高山が指差す方を皆が見ると・・・
「ただの墓じゃん・・・。高山くんビビリ過ぎ〜!」
柚花は高山の指差す方を見て、ケラケラと笑う。
「い、いや・・・何でこんなところに墓があるんだよ・・・!もう怖ーい!柚花ちゃーん!」
冷や汗ダラダラの高山は小刻みに身体が震えながら柚花に抱きつく。
「コラ!抱きつかないの!ここは明治になる前までは犯罪を犯した人を処刑する処刑場でもあったのっ!だから幽霊ぐらい居るだろうねっ!ホラっ!離れなさいっ!」
「しょ、処刑場っ!?嫌だ!離れたくない!怖いもん!」
子供みたいに駄々をこねる高山の頭に柚花はゲンコツを入れる。背の低い柚花では背の高い高山の頭上にゲンコツ出来ないから、軽くジャンプをして思いっきりゲンコツを入れた。
「あがぁっー!!」
「いい歳した男がギャーギャー騒がないのっ!幽霊なんていても生きている者に触れることなんて出来ないんだから堂々としてなさいっ!男ならドーンと構えなさいっ!」
柚花も高山と同じくらい霊感が強いから、この場所に幽霊がうじゃうじゃといるのは分かるし、さっき高山くんが見たエッチなくのいちの幽霊も見えた。
でも柚花はそんなの全く怖くない。子供の頃から見えていたから今更怖いなんて感情出てこないのだ。