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牢屋の中で・・・

喜田きだを生きたまま海に沈めるのは止めて、柚花ゆずかは最期に戦ってはかなく散る花の如く喜田きだ生命いのちを散らせてあげる事にした。 



忍者の掟を破って反社組織に力を貸した者は例外なく生きたまま海に沈められるのに、柚花ゆずか喜田きだに対する処分は甘すぎるだろう。


今まで反社組織に属した忍者や元忍者は生きたまま海に沈められ、醜くもがいて苦しんで死ぬのが定番だ。


それなのに最期に花舞台を用意するのは異例中の異例である。



そして喜田きだの最期の戦いの舞台は1週間後に決まった。


1週間後になった理由は喜田きだ柚花ゆずかにボッコボコにされて骨まで折られたのだが、その折れた骨を治すのに掛かる時間である。


忍者は一般人パンピーと違って骨折は1週間も有れば完治する。





「ふん、柚花ゆずかあめぇよな・・・。先代、先々代なら迷わず海に沈めるだろうによ」


先代とは柚花ゆずかの母の事である。先々代とはお祖父ちゃんの事である。二人とも真面目だから忍びの掟に滅茶苦茶厳しいから恐れられていた。




喜田きだは屋敷の地下にある牢屋で酒を飲んでいた。


柚花ゆずかは反社とツルんでいた極悪人の喜田きだに酒を振る舞っていた。


「本当にあめぇ!裏切り者の俺に最後の舞台を用意してくれると同時に酒まで飲ましてくれるなんてよぉ・・・!ぐふっ!ぐふふっ・・・!」


酒を飲むと、つい顔がニヤけてしまう。そしてズボンのポケットの中から風邪薬の錠剤っぽい薬を取り出す。


「以前、桜井さくらいの親父に言われて渡されていた薬の存在を今思い出したよ・・・。しかも都合良くズボンのポケットの中にあったわ・・・!」


手にする風邪薬みたいな物を風邪薬であらず。飲むと気分がハイになって無敵超人になれる様な感じが味わえる薬である。


「まぁなんの薬か何となく分かるけどな。こりゃあ最近町で出回っている新しいヤクだ。気持ち的に無敵超人なれるだけじゃなくて、本当に無敵超人みたいに身体能力も底上げされるらしい。だが副作用もキツイだろうがな」



冷静になりながら喜田きだは酒をグビッと一気に飲み干す。


「今度の戦い、例えヤクを飲んでも柚花ゆずかには勝てねぇだろうな・・・!アイツはヤクで身体能力を上げたところで勝てねぇ。だが、逃げる事は可能だ。ここで逃げ出して、誰も俺のことを知らない土地に逃げてやる・・・!」


喜田きだの考えでは柚花ゆずかには間違っても勝つことは出来ないだろう。だが、動揺させれたら逃げる事は可能だ。


「例え、ゆう桧山ひやま兄貴アニキ春奈はるな千歌ちかがその場に居ても俺の足なら逃げ切れる。俺の逃げ足は国宝レベルだからな・・・!」


忍者にはアニメやゲームみたいに術を使うことは出来ないが、大抵の場合は何かしら特技がある。


柚花ゆずかなら動物と会話が出来る。春奈はるなは機械に滅茶苦茶強い。柚花ゆずかの妹の紅葉もみじは圧倒的音楽センス。


喜田きだにもそんな感じの特技がある。それが逃げ足の速さである。単純に身体能力が高いだけではなく、逃げる事だけに限り判断能力も高い。





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