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ローズナイトさんと学ぶ異界の歩き方(2)

霊力とは、全ての生物の体にに大なり小なり存在し、この異界において必須の力。

肉体の強化、霊に対抗する武器の制作、その他諸々、まぁ何はともあれコレがなきゃ異界じゃ死ぬ。

この景色は霊力越しに見た本当の異界の景色…らしい。


「おわかり?」

「はぁ、まぁ。」


なんとも言えぬ感覚で返答する。

今のところ景色以外変わったところがない。


「とりあえずジャンプしてみなさいジャンプ、足に意識を向けてグッとやるのよ。」


一昔前のカツアゲのような言葉を言う。

言われた通りジャンプしてみるが、違いがわからない、もしかしたら10cmくらい高いかもとかそんなくらいだ。


「…まだイメージに引っ張られてるわね。」

「そんなこと言われましてもねぇ!もう少しわかりやすく教えてほしいんですが。」


多分この人教えるの下手だ、さっきから説明が雑だし所々感覚で話す。

と、不満を述べていると額に拳が飛んできた。


「うわっ!!」


なんだ急に、と思ったのも束の間、ローズがプルプルして拳を抑える。


「痛い」

「はぁ?そんなのこっちの…」


こっちの台詞と言おうとしたが、おかしい。

華奢な拳ではあるがそこそこの勢いだった、私の額は多少なりとも痛むはずだが


「…痛くない」


殴られたであろう場所をぺちぺち触って見るがやはり痛みはない。


「確認よ、感覚で無理なら反射。ちゃんと出来てるわ。さすがね私。」

「そんな雑なやり方で出来るんですか。」


誇ったような面をする。

いや実際には口角がちょっと上がっただけなのだが妙にわかりやすい。


「まぁ出来たなら徐々に慣れるわ、次は霊力を出す方法よ、増メーター出して。」

「あぁ、この変なの。」


異界に入る前に渡された変なストラップを出す。

どこかで見たような白い女性のお面だが、目が閉じている。


「えぇコレに霊力を篭めると近くの霊の強さがわかるわ。」

「だからそのやり方がですね」

「できるもんはできるのよ」


淡々と無茶を重ねてくる。

不満を伝えるためにじっと顔を見ていると「はぁ〜あ…やれやれ。」と言うようにため息をつかれた、ため息をつきたいのはこっちだ。

今度は物を奪い取るように荒く手を取られる。


「仕方ないから手伝ってあげる、-1ポイントよ。」

「…ありがとうございます」

「ちゃんとお礼が言えるのは高評価よ、+2ポイント。」


+になったらしいがローズの不機嫌そうな顔は変わらない。


「貴女と霊力を同調させて誘導するから、ちゃんと感覚を覚えなさい。霊力の操作はイメージが重要なの、逆にイメージと感覚さえ掴めば自由に出来るわ。」


今度は目を瞑らなくても手に穴の開いた感覚がした。

外見に変わりはない、ただ開いた感覚は残っている。

感覚を掴むために目を瞑る。


「噴水でも火山でもなんでもいいわ、貴女の中を巡っている感覚を手から溢れさせるの。」

「は、はい。」


数秒間心の中で唸りながら感覚を追いかけていると、徐々に右腕に感覚が吸い寄せられる。

穴から湧水のように少しずつ手を満たしていく。

手から溢れそうになって窪めるとそれは止まった。


「多分、いけました。」

「えぇ、わかるわ。それをここに集めなさい。」


ローズがストラップに指で圧を加える。

その圧に吸われるように意識が向けられ、ストラップは脱脂綿のように液体を吸い込んだ。


「………どうです?」


目を瞑ったまま聞く。


「成功よ、ちゃんと()()()()()()。」


ぱちりと目を開く。

手のひらのお面を見ると、白い女性の面が真っ赤な怒りの表情へと変え、目を黄色にしていた。


「うわ怖っ……………あ?」

「あら、久々に見たわね『橋姫』、このレベルは確か20m付近を探知して反応するはずだから、結構近くね。」

「あ、あの、」

「何?あぁ、褒められたいの?」


お面から目を外した直後だった。

ローズの顔を見ようとした瞬間だった。

ローズの後ろの紫色の塊に目を奪われた。


「仕方ないわね、よく」

「後ろっ!!!!!!」

「…?」


目の前で強風が吹く。

ぶおんっ、と、ローズのいた場所を何かが通過する。

あまりの強風に麗夜は1m後ろに飛ばされて、2秒前の景色が遅れて脳に届く。


何が起きた?


それは目の前のそれと2秒前の景色を繋げて簡単に理解できた。

目の前には抉られた地面と、縦横3m弱程度の紫の塊があった。

ぶよぶよとした表面が地面についており、左側には半分ほどの大きさの似た塊がついている。

上の方にある3つの深い窪みを見ることで、ようやくそれが人型であることを理解する。

左側の巨大なものは『それ』の右腕で、ぶよぶよの表面は体皮だ。


「ローズ…さん?」


おかしな話だが、その紫の肉塊はローズと成り変わったかのように目の前に立っていた。

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