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危険は常に潜んでる

本日三回目の更新です!ぜひ最後にいいね、ブクマお願いします!

・・・それは、適当に菓子コーナーに並ぶ商品をみて思案に耽っている時だった。


 つまりは俺の不注意だった。


「あれ、色見じゃないか」


 その声はいつもよりは明るいが、それでも若々しさは全く感じない気だるげな声色。反射的に体をびくつかせた俺は「うげぇ」と嫌な感じを隠すこともしないままに振り返った。


 その先には、脱力系教師であり、俺が裏生徒会に入ることになった元凶である成美未果なるみみかが一人カゴを片手持ち棚に向けた体の上半身だけでこちらをむき俺を手招きしてきた。


 成美先生には反論はもちろん小言でさえも意味がないことは歴戦の経験から理解しているので、俺はただ前面に反感の意を表しながら彼女の元に行くしか選択肢はない。


「これ、持ってくれ」

「・・・成美先生、流石に酒の箱を生徒に担がせるのは不健全じゃないですか」

「かもな。でも、お前は私が手をつける前から不健全。つまり変わりないから無問題もうまんたいだ」

「それをどうにかするのが先生の仕事なのでは・・・」

「変わる気のない奴に構ってやれるほど暇ではないんだよ、私たちは。残業でな」


 精一杯の嫌悪を吐き捨てると、俺は大人しく近くのビール缶がまとめられた段ボールを持ち上げる。よろけてしまいそうになるのをなんとか踏ん張って堪えた俺は、既に先を歩き出している先生を追いかけながら言った。


「ぜってぇ教師になんかならねぇ」

「はっはっ!いい志だな」


 自分の職種を馬鹿にされたにも関わらず快活に笑う先生の隣を、ビールの箱を担ぎながら歩く。

 流石にそろそろ茉白も飲み物を買い終わる頃だろうし、戻らねーとな・・なんて思いながらも、予定では現地解散だったしこのまま成美先生に使われても不都合ですらないような気もしてきた。


 さすがの草船精神には、俺自身脱帽してしまう


 そんなふうに考えていると、肉コーナーにたどり着いた成美先生は品定めしたのちに肉団子に手を伸ばしながら


「でも、お前がこんなとこに来るなんて意外だな。家からは遠いだろ」

「あー、今日集まりがあったんで仕方なくっすよ」

「集まり?」


 先生が俺の言葉に顔を顰しかめた、ちょうどその時だった。


「あれ、成美先生!?」


 周りの騒音を裂くほどに目立つ声色に、成美先生と俺は同時に視線を向けた。そこにはもう買い物を終えたのであろう三人が、今の俺の状況を見て驚き、目を丸くしていた。


 そんな様子を見ても成美先生は一切の補足説明もせず頭をボリボリとかきながら言った。


「おー、朝日か。そう言うことか、いつもの4人で楽しいお出かけってことか」

「先生も遊びに来てたんですか?」

「いや、私の最寄りのスーパーがここだからな。ただの買い物さ」


 それを聞いて「あぁそうなんですね!」なんて健気に笑う朝日。


 ・・・朝日!?なんでそんな丸見えの地雷原を突っ走った!?休日のもう夜ご飯近くのこの時間に一人でいる先生が誰かと遊ぶために来てるわけないだろ?

 それに成美先生は全くもって男っけのないことで有名なくらいだ。一説では大学時代に付き合ったのが最後だとか・・・。まぁ、俺はこれまでいたこともないんだけど


 にしてもこのスーパーが最寄りって、確かに子供とかがいる家庭とかにはちょうどいいのかも・・・ってこれ以上はやめとこう。あまりのストレスと悲しみで未成年の俺までこの手に抱えてあるお酒をガブ飲みしかねない。


「もうお前らは遊び終わったのか?」

「そうですね。もう疲れましたね、本当に」


 川霧は深いため息と共に、疲労に満ちたその顔をやや伏せた。その様子を、先生は手を顎にやり何か考える様子でじっとみる。


「そうか」と間を埋めるために呟いた先生は、やがて思いついたようなそぶりで言った。


「なら、今から家に来い。ちょうど鍋を食べたかったが1人じゃ多すぎて困ってたんだ」

「鍋!?いいんですか、ご馳走様です!」

「わ、私は流石に・・・」

「・・・親に連絡したら、私は行けるかな」


 川霧以外なんで乗り気なんだよ。もう正直、ベットに倒れ込んで布団の中で丸くなりたいんだけど


「あの、俺は・・」

「川霧、色見。これは命令であり、活動だ。分かったな?」


 否定権はないぞ、そう言外に脅してくる。

 いや、直接的か、これ。今の時代にも珍しいくらい清々しいパワハラだろ


「しょうがない。私の腕の見せ所だな」


 休日の先生は、楽しげに笑って、丸い背中のまま胸を叩いた。

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