最後の晩餐は彼女の手作り
皆がきゃっはうふふと文化祭を満喫している中、
「ソースとって」
「はい、すいません」
「麺の追加開けてくれる?」
「はい、すいません」
俺は額から汗を出しながら焼きそばを作っていた。
文化祭も昼間に差し迫ったためか、客足が多くなりさっきから作っては売れていくので休む暇なく俺と茉白は働いている。
「できたよ」
「ありがと。お待ちの二名さまー!」
我ながら、今回の文化祭ではらしくないことばかりしているような気がする。この前まではこう言う行事は適当に時間を潰していたものだが・・・
ちょうど最後の食材で作った焼きそばを渡し終えると、さっきまであったはずの長蛇の列を捌き切ったことに気づく。
ようやく山場を越えた俺は後方においてある椅子に座って遠くに見える人々を眺める。
あまりの疲れに頭がボーッとしてきて・・・
「はい」
「?・・・いてッ」
我にかえり、声のした方を振り返ると少し眉を寄せた茉白が差し出していたプラスチックの容器に額が当たる。見るとそこには出来立ての焼きそばが入っていた。
あれ、食材は使い切ったはず・・・
「取っといたの、お昼用に。疲れたでしょ、いらないの?」
「いります。すいません、何からに何まで」
「・・・ホントだよ、もう」
隣に座った茉白と並んで焼きそばを食べながら俺はこれからのスケジュールを思い出す。確か二時くらいにステージ発表があって、数時間後に閉会式があるはずだ。
俺は仕事を終えてやることがないのでどう時間を潰そうか。
一応これでも会場準備として委員会に入ってる訳だし見回りでもしとくか。なんて勤勉なことか。
そんなことを考えながら、焼きそばを無心で口運んでいると、圧を感じて俺は横を見る。
「・・・・」
「な、なんだよ」
「・・・何かないのかな」
「ありがと・・・?」
「はぁぁぁ」
とんでもなくわざとらしいため息。
え、俺今の間違いなの!?ギャルゲなら無難に好感度を上げる選択肢だと思うのだが、どうやらリアルの女子にとってはむしろ好感度が下がるようだ。難しい。
もういいよと片付けに立ち上がった茉白に続くようにして俺も急いで立ち上がるが、俺が近づく気配を察知すると茉白はぶっきらぼうに言う。
「いいよ、一人でできるし」
「そういうわけにも・・・」
「いいから。・・今日くらいは楽にしてて、ね?」
宥める口調で諭され、俺は抵抗するのも憚られた。
「・・・悪いな。ほんとに。ありがと」
茉白には救われてばかりだと、改めて感謝しながら俺は多くの人の渦に飲み込まれていった。
文化祭最初で最後の余暇となることを知りながら・・・
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