最高の日はやがて・・
「ん〜。だいぶ片付いたー!!」
伸びをしきった朝日が疲れを吹き飛ばすような明るい声で叫ぶ。
床には打ち込み終わった資料が散らかっている。
「・・・これ一人でやるのは流石に馬鹿だろ」
「コレ毎日やってるの?目シュボシュボする・・・」
久しぶりの重労働に俺と茉白がゲンナリとしていると、
「助かりました!!・・・一人で背負いこむのもダメですね」
「お前は川霧さんを見てなかったのかよ、アイツも背追い込んで倒れかけだぞ。ほんと、どいつもこいつも危なっかしい」
川霧さん?と茉白が呟くがそれには取り合わず俺はふと思い出したことを茉白に伝える。
「茉白さん、明日は手伝わなくていいからな。明日は最終日だしな、この調子なら間に合うだろ」
「ホントに大丈夫?フラグじゃないよね?ダメならすぐ言ってね?」
お母さんかよ・・・
でも今日で半分以上終わらしたし、明日なら追加の仕事が来る可能性もないことを考えれば、地獄みたいなことにはならない・・・はず
「でも色見くんは自分の仕事大丈夫なんですか?」
「あぁ。俺は他の委員に比べれば仕事は少ないし、持ち帰って終わらすさ」
「珍しく勤勉だね」
「うるさい、俺はいつだって省エネに勤勉だ」
俺たちはそんな会話をしながら教室を出る。
もう文化祭はすぐそこなのだと僅かな実感と共に準備期間最終日を迎える。
・・・ようやく迎えた最終日が俺にとって最高の日となる事をこの時の俺は、まだ知らない。
「なんだこれ・・」
俺は自分の机に積まれたいくつかの紙の束を見てたじろぐ。
「泉さんは『どうしてもやり切りたいことがあるから』って言ってコレを置いていったわよ」
隣で川霧は仕事に注意しながら伝言をしてくる。俺が聞きたいのはそうではない。コレらの仕事の紙は泉がよこしたものであると言うことは聞かなくわかる。俺が真に驚いたのは、ここまできてコレほどの仕事を抱え込んでいたのかということだ。他の委員は真面目に取り組んで言うお陰で中には今日は出席をしていないものまでいると言うのに。
嫌な予感を胸に朝日の方をみると、やはり彼女も仕事が増えているようで険しい顔でパソコンに向き合っている。
「もしあなたが昨日ここにいれば断れたかもしれないけどね」
「・・・なんか怒ってる?」
「別に。痛々しい勘違いしてる暇があったら仕事をしたら?」
本当だ、いつも通りだ。
俺はため息と共に席に着くと早速仕事を始める。本気でやれば別にどうと言うこともないだろう。
がっかりしながら俺は歪に笑う。
・・・気づけば社畜みたいなマインドになってるな。よくない、よくない
俺は数枚の資料を片付けながらぼんやりとどうでもいいことを考えていると、これまでの資料とは様子の違う上質な紙を見つける。
これは・・・!
それを見た俺は、今度こそ愉快に口角を釣り上げた。




