裏生徒会の奴らは面倒臭い
次の日も俺は会議室に出向いた。
・・・そこで俺は人間はそう簡単には変われないということを目の当たりにした。
「陽凪、これもお願い。あ、色見、いいところに。これやっといて」
朝日に資料を渡していた泉は教室に入ったばかりの俺にずっしりと重みのある紙の束を渡そうとしてくる。
この後に及んでまだこいつは人に仕事を回すのか?みんな自分の仕事で手一杯なんだぞ・・?
「おい、時間がないんだぞ?」
「知ってる。だから協力してほしいんじゃんか。私、学年長の方の仕事が忙しいの。はい、お願いね」
言って泉は会議室を出ていく。おそらく彼女は学年長の集まりにでもいくのであろうか
朝日の方を見ると、慣れっこなのかすでに仕事に取り掛かっている。最近まで川霧に注目してたから気づかなかったが、こいつが泉の依頼を受けたことを考えれば、泉の仕事をこの中で一番任されているのは朝日のはず・・・。知恵熱でも出して倒れなければいいが
愚痴っている間も勿体無いので俺も席について早速増えた仕事に取り掛かろうと思ったが、ちらりと顔を上げると視界の右の方にいる朝日が気にかかる。どうも体調が優れなさそうで・・・
「気づいたのね、あなたも」
「お前も・・・」
「えぇ。このところずっと調子悪そうなのよ、彼女。本人に聞いても平気と答えるばかりで、取り合ってくれないの」
多忙の中で周囲に気を配っている川霧にも、そこまで自分を追い込んでいる朝日にも俺は驚いたが朝日の性格を考えれば頼られた以上は力になりたいと思っているのだろう。
なんせ彼女は優しいからな。もう少し楽に取り組めばいいのに
「仮に体調はいいとしても、あの仕事の多さはまずいだろ」
俺は言って顎で朝日の隣の資料を指す。少し前の俺ほどの量がそこにはある。俺は空き時間を全て費やしてなんとか遅れを取り戻したが、それでも正直きつかった。であれば今体調が優れなさそうに見える彼女があの仕事量をこなすというのは、考えるまでもなく厳しいだろう。
そう思いながら俺は、泉によってさらに増えた仕事に取り組んでいる朝日を見ていると
「来週には文化祭だからもし彼女が体調を崩したら、危険なのよね。でもなぜか仕事を譲ってはくれないしどうしたものかしらね」
「誰かさんに似て頑固だな・・・って痛い!」
川霧が伸ばしてきた足をなんとか払い除けながら、五日後に迫った文化祭に時の速さを感じていた。今日は水曜日なので、用意されている準備の猶予は今日含めて三日。
各クラスの準備も佳境に入ったせいか、今の俺たちには予算申請の資料が立て続けに舞い込んでくる。受験日が近づいた受験生じゃあるまいし、もうちょっと計画性を持ってくれよ。帰れねーだろーが。
「朝日さん、大丈夫かしらね」
「さぁ。なんとかなるだろ」
深くは考えず、俺は半ば願うような心持ちで作業を開始した。
・・・けれどその日が終わっても朝日の仕事は全く進んでいなかった。




