襲撃
投稿遅れてすみません!
私たちはシャルロッテのお父様、ハウル・デューク・ローゼンベルク様に会いに執務室へと向かった。
「入りなさい。」
「失礼致しますわ。少々お時間よろしいでしょうか?」
「いいよ、なんだい?」
「私・・・いえ、シャルロッテは六属性の精霊と契約いたしましたわ。」
そう言うとハウル様は目を見開き、そして考え込むように目を瞑った。
「その年齢でもう・・・。」
「本題に入りますわ。家の庭で魔法等の特訓をすると危険ですので外出許可と、それから教示をつけていただきたいのです。」
「そうか・・・、いいだろう。」
「ありがとうございますわ!公爵かっ———」
窓から突然矢が飛んできた。危ない!と思っていたらいつの間にか近づいていた父上の従者、ウェルクさんが笑顔のまま素手で矢を掴んでいた。
恐ろしい反応速度ですわね。
そう思っているとウェルクさんが笑顔のまま恐ろしいことを言っていた。
「ちょっと、殺ってきていいですか?」
「いいだろう。行っておいで。」
ハウル様がそう答えると、ウェルクさんは消えた。
『華夜、ウェルクがどこ行ったかわかる?』
「(多分、屋根の上ですわね。)ちょっと失礼しますわ。」
私はそう言って窓に駆け寄った。そして窓枠に足をかけて屋根に登りウェルクさんを探した。
いましたわ!今のところウェルクさんが優勢のようですわね。
『すごいわね、どちらの動きも特殊だわ。』
「(そうですわね。私にもできるかしら。)」
シャルロッテと二人で会話をしていると、ウェルクさんが足を滑らせ屋根から落ちそうになっていた。
『「危ない!」』
「しょうがありませんね!『風よ吹け!彼のものを飛翔させよ!飛翔!』
私がそう唱えるとウェルクさんは宙に浮いた。しかし襲撃者が急接近し今にもナイフを突き立てそうだった。
「全く、自信満々に向かっておいて何なのです!あの有様は!『炎よ爆ぜよ!爆炎!!』
炎の光と熱で目潰しをした。
「光魔法が使えたら楽でしたのに!!」
『華夜?まさか戦闘に参加する気ですの?』
「当たり前でしょう!」
襲撃者がこちらに気がついたようだ。一直線にこちらに向かってくる。
速い!
私は大急ぎで風を吹き荒させた。
『風よ!嵐よ!吹き荒れろ!暴風!!』
風が吹き荒れ襲撃者は前に進めなくなった。
今のうちに魔法を展開しますわよ!!
『凍てつく氷よ、凍らせよ!氷結!』
襲撃者の足元を凍らせその場に固定する。
これでやりやすくなりますわ!
『風よ、我が歩みを加速させよ!』
襲撃者に急接近して首裏を軽く叩いた。襲撃者から力が抜け崩れ落ちる。
フワッと甘い匂いがした。この匂いは一体・・・?
『ねぇ、華夜。ウェルクがなんだか調子が悪そうよ。この匂いのせいじゃ無い?』
襲撃者から小さな瓶がこぼれ落ちた。匂いの元はこれですわね。
私は平気なのに、なぜ彼は辛そうなの?
疑問を残したまま私たちは執務室に戻った。