ゲームのルート
私のハマっていた乙女ゲーム『聖魔伝説』は攻略対象が6人いる。
1人目が、王太子、アレクシス・エンペル・スティアート。金髪碧眼で紳士。表情はにこやかで、本心を顔に出さない。頭もいいし、武術に関しても一流らしい。彼のルートでの悪役はシャルロッテ。
彼のルートでヒロインがハッピーエンドを迎えた場合、シャルロッテは国外追放。バットエンドの場合は王太子とシャルロッテは結婚することになる。
2人目はアレクシスの弟、第二王子のキース・エンペル・スティアート。姿はアレクシスと似ているが中身は全く違う。表面上は天使だが、中身は腹黒の悪魔である。彼のルートにシャルロッテはほとんど登場しない。その代わりに悪役として出るのは婚約者のクリスティーヌ・マーキス・サルザーヌ侯爵令嬢だ。彼女については後々説明するとして・・・。彼のルートはまぁ、気にしなくていいだろう。
3人目は王国騎士団長の息子、フェリックス・マーキス・リグニアン。黒い髪に茶色い瞳。素直で優しい。勉強は少し苦手だが、武術に関しては最強と言っても過言ではない。この人のルートでの悪役は・・・
何故かシャルロッテだ。ハッピーエンドではシャルロッテの罪が彼により明らかにされシャルロッテは修道院行き。バットエンドではシャルロッテがヒロインにナイフを持って襲い掛かり彼によって返り討ちにあう。シャルロッテは死亡する。
4人目は、宰相の息子。ルディアリス・デューク・ミハイル。深緑の髪に青の瞳の研究バカ。シャルロッテはほとんど関わらないため・・・今は放っておこう。
5人目は私の義理の弟イザンナ・デューク・ローゼンベルク。私と同じで銀髪に紫の瞳を持っている。彼のルートの悪役はもちろんシャルロッテだ。シャルロッテは彼を大事な弟としてねこっ可愛がりする。結果彼はシスコンになってしまい、シャルロッテを溺愛する。シャルロッテも弟を溺愛するあまりヒロインを妨害する。弟を思っての行動だったらしい。ハッピーエンドではなぜかヒロインと弟は結ばれる。シャルロッテは事故で死んでしまうのだ。バットエンドではシャルロッテと彼は一緒に世界を旅するのだ。平和・・・。
6人目はヒロインの幼馴染アッシュ・カイル。悪役はシャルロッテ。詳しくは追々するとして・・・、ハッピーエンドだとシャルロッテは国外追放。バットエンドだとシャルロッテは死亡する。最悪だ。
「と、まぁ、こんな感じですわ。」
「それでどうして悪役をやることになるの?」
「シャルロッテが夢で試したのではあなたは悪役ではなかった。そして国は滅びた。つまり、シャルロッテ・・・いや私たちが悪役になることで起こることが、国が破滅しないきっかけだと考えるからですわ!」
「悪役・・・?一体どういうことだ。」
「父さま、私たちは悪役になることにいたしました。反対意見は聞きませんわ。」
お父様はため息をついた。
「しょうがあるまい。私も協力しよう。何かあったら、すぐに頼るのだぞ。君もね。」
お父様は最後に私の方を向いてそう言った。
「「はい。」」
さて、この後どうしましょう。ゲームが始まるのは・・・
今が5歳で学園に行くのは15歳。十年後ですわね。
「とりあえず味方を増やしましょう。そして能力を高めますわよ!」
そう言って私はシャルロッテの体に戻った。
「華夜、普段はあなたが外に出て。」
「(わかった。)」
私は外に出た。
「(まず何しましょうか。)」
『魔法の特訓、とか?』
「(いい案ですわね。)」
よ〜し。まずは魔法の特訓ですわ!!
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私は今これ入れて3つ書いてるので、もし気になったら調べてみてください!
『男装の女王陛下 〜婚約破棄から始まる物語〜』
『公爵令嬢は最強の冒険者を志す』
です!