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私こそ、本当の悪役令嬢ですわ!  作者: 月乃夜 星竜
第二章  シャルロッテ10歳
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未来は|永遠《とわ》に残酷で

夜になって、僕は部屋に行き、眠りについた。

が、なんだかとても眩しかったので目を開けてみると、目の前には真っ白な世界が広がっていた。


「ここは・・・?」


思わず呟くと、後ろから声がした。


「ここは僕の世界だよ。魂たちはここに訪れることができる。」

「あなたは誰ですか?」

「僕?僕は君のいる星の創造神、アルトゥール。」


創造神?本当なのだろうか。

普通に考えて、こいつは頭がおかしい。

でも現に、僕はいつの間にか知らないところに来ている。

信じる・・・べき、なのだろうか。


「それで?何か御用ですか?」

「君は知りたいかい?君の義姉上が隠している真実を。この世界の、未来を。」


義姉さんが、何かを隠している?

でも、人の隠し事を暴くだなんてよくない。

しかも、この世界の未来をだって?

じゃあそれを知っている義姉さんは・・・何者なんだ?


「僕は君が知るべきだと思う。だから僕は僕の権限で、君にそれを見せるよ。」


そう言って、創造神は片手を上にあげた。

そこを中心に、ひどく眩しくなり、僕は耐えきれず目を瞑った。


しばらくたって目を開けると、目の前には公爵邸があった。

近寄ろうと思って踏み出そうとすると、そこに見えない壁があるかのように阻まれた。


遠くから、声がした。


「それは君がそこに来てから2年の月日が経ったある日のことだった。」


その声と共に、景色がお父様の執務室へと移り変わった。

そこにはお父様と、女の人、それから若い男の人がいた。


「女の人は君のお義母上だよ。」



あれが・・・・。


『大変です、閣下!!どこからか魔物が溢れ出し、国中が混乱しています!!』

『なんだと!?・・・すぐに衛兵たちを街の警護に回せ!!』

『ここの警護はどうするというのですか!?』

『この屋敷は私たちと、私の従者で守る。お前は町中の冒険者、衛兵に知らせてこい!!』

『ハッ!!』



若い男の人はその場を走り去った。


『あなた。二人はどうするの?あの子たちはまだ幼いんですよ。』

『分かってる。フェルス!二人を連れてあそこに迎え!!急げ!!』

『・・・はい。・・・・ご武運を。』

『リリィ、君も彼と共に・・・』

『あなた。私も共に行きます。最後まで、どうかあなたと共に。』

『・・・わかった。』


バァァァアアアアアン!!


大きな音と共にドアが開き、そこから大きな魔物が入ってきた。

何匹も。


『ハウル。あなたと生涯を共にできてよかった。今まで幸せだったわ。ありがとう。』

『リリィ・・・私も君と共にいられてよかったよ。ありがとうな。』

『・・・私があれを食い止める。あなたはあの魔法を用意して。』


お義父様は顔を顰めた。


お義母様はにこりと微笑み、お義父様に手を伸ばした。


『大丈夫。あなたならきっとできるわ。・・・向こうで待ってる。・・・死後の世界でも、来世でも、ずっと一緒にいましょうね。』


そう言ってお義母様は魔物たちとの戦闘を始め、お義父様は魔法の用意を始めた。


しばらくたち、ついに、お義母様が倒れた。

彼女は、最後まで微笑んでいた。


『リリィ!!!・・・・っ、待っていてくれ。私も、すぐに、追いつくから。・・・『裁之鉄槌ジャッジメント・ハンマー!!』


彼はお義母様の隣に、崩れ落ちた。

彼もまた、微笑んでいた。


魔物たちが、砂となって消えた。


景色が義姉さんの部屋と、僕の部屋の前の廊下へと変わった。

そこには、フェルスさん、義姉さん、僕がいた。


フェルスさんは硬い表情で、僕たちに魔物の反乱を伝えた。

そして無言のまま、僕たちを担いだ。


『フェルス!!離しなさい!!どういうつもり!?まさか、お父様とお母様を置いて行けっていうの!?離しなさい!!この薄情者!!お母様たちから受けた恩を忘れたの!!?』


フェルスさんは無表情のままだった。

そして飛ぶように走り、壁の前に立った。

どこからか魔物の声がした。

彼が何かを呟くと、壁がわれた。

中は空洞になっていた。

そこに僕たちを入れると、彼は微笑んだ。


『お嬢様、坊ちゃん、私は近くの魔物を払ってからまたここに来ます。それまでは、ここで静かにしていてください。いいですね?』

『いやよ!!お母様たちはどうするつもりなの!?』

『お二人からもらった命を、無駄になさいますな!!』

『・・・っ!』

『では・・・。すぐに戻ってまいります。』


そう言って彼は入口をまた壁で塞いだ。


『っ!お母様!お父様!!』


僕たちは静かに、永遠とも思われる時間、待った。


そしてしばらくたち、壁が開かれた。



王太子、アレクシスによって。


『で、ん・・・か・・・・?』

『シャル!!』

『ど・・・うし、て。なん、で。フェリスは・・・?』

『安心してくれ、彼は生きてる。』

『なら、お母様は!?お父様は!?・・・行かなきゃ・・・!』


義姉さんは王太子を振り切り、お父様の執務室へ向かった。


そこには多くの騎士がいた。

お義父様とお義母様は眠っているようだった。


ただし、体には布が被せられていたが。


『お母様!!お父様!!』

『行けません!!お嬢様!!見てはなりません!!』

『ど、どうして!?なぜ!?お母様!!お父様!!!め、目を開けて!!お願い!!』

『お二人は・・・・お亡くなりになりました。お嬢様。』


騎士は悲痛な顔でそう告げた。


『そ、んな・・・。いやよ・・・。そんな、いやぁああああああ!!!』


義姉さんの叫びは、沈黙の中、響いた。



景色がゆらめき、消えた。

目から涙が溢れ出た。


悲しい。

苦しい。

辛い。

誰か。



僕は泣き続けた。

今回はいつもよりちょっと長め。


「面白いな。」「続きが気になる。」等々思って頂けましたら、下にある☆を★にしてくださると嬉しいです。

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