出会い
皆様初めまして。私の前世の名前は小鳥遊 華夜。今はシャルロッテ・デューク・ローゼンベルク公爵令嬢ですわ。前世の私は本当に病弱で、一日中ベットで過ごしておりましたの。退屈な日々の中、私の唯一の楽しみがゲームでしたの。その中でも乙女ゲームには特にはまっていましたわ。そしてゲームで登場する悪役令嬢に憧れていましたの。死ぬ直前も、来世は悪役令嬢がいいと、そう願っておりました。
そしたら、本当に願いが叶ったのですわ!目が覚めたら私が一番好きだった乙女ゲームの悪役令嬢シャルロッテになっていましたの!まぁ、よくある転生、ですわね。ただ私の場合少し特殊でして。『シャルロッテ』の体には私の精神と、シャルロッテの精神、二つが入っていますの。
さて、話は急に変わりますが、今、私は夢の中でシャルロッテの精神を探しておりますの。いるらしいということはとあるお方から聞いたのですけど、未だ会えていなくて・・・。でも今日は会える気がしますわ!
———なんとなくですけど。
「シャルロッテ様〜、どこにいらっしゃりますの〜?」
夢の中で探し歩いて早1時間。まだ見つかりませんわ。
今日は諦めよう、そう思ったとき
『あなた、誰?』
「私、華夜。あなた、シャルロッテ様?」
『え、えぇ。そうよ。ここに何しに来たの?』
「あなたに会いに来たの。ねぇ、少し話さない?」
返事はありませんでしたが、目の前に5歳くらいの姿のシャルロッテが現れましたわ。
『ねぇ、あなた誰?どうして私の姿をしているの?』
「どっから説明しようかな・・・。えっと、私は贈り人なの。わかるかな?」
『じゃあ、あなたはもう私ってこと?』
「そうね。」
そう言うと、彼女は私にしがみついてきた。
『お願い!助けて!』
「どういうこと?」
ゲームでは涙一つ流さなかった彼女が、今は涙を流し助けを求めている。
『何度繰り返しても、何度も変えても、何も変わらない!未来が!』
彼女は泣きじゃくりながら話し始めた。
ある日、未来予知をしたこと。
その未来ではシャルロッテは婚約破棄をされ、死ぬこと。
王太子が別のご令譲と婚約すること。
そのせいで——
国が滅びること。
どうにかして変えたくて夢の中で色々試したこと。
でも変わらなかったこと。
彼女のした未来予知はゲームのシナリオ通り。
こんなに小さいのに・・・
辛かっただろうな。
「辛かったね。」
『ねぇ、どうすれば未来は変わるの!?どうすればいい!?』
「未来を、変えたい?」
『えぇ!』
「じゃあ、私と一緒に未来を変えようか。」
『どうやって・・・?』
「まだ試してない方法を試すのよ。現実でね。」
私がそう言うと彼女は首を傾げた。
『まだ試してない、方法?』
「全力で、悪役になりましょう!」
こうして、わたしたちの物語ははじまったのですわ!!