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大魔法使いを目指してHighになる  作者: ぽこん
その娘、見習いになる
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サウスライド2


面白い子を見つけた。


と、全権力を使ってルディリアを自分の補佐に任命した。許可を得るのにかなり面倒な手続きを強いられたが、それでも手元に置いて観察…もとい育成したいと思った。



試験当日、城内のあちらこちらから新参者を品定める試験官が多くいた。

気になる者、気に入った者、実力のありそうな者、使えそうな者が自身の部署に来ればと考えている試験官たちは、他部署にどんな新人が入るのか情報を得ようとする者もいる。また、良い新人がいれば横取りしようと考える者も少なくは無い。



サウスライドは資料整理に長けた人物が欲しかった。

文官として才覚のある人物はいないかと興味深げに小窓から探っていた。たまに探索魔法を使ってはいたが、まさかそれに気がつく人物がいるとは思いもしなかった。


だからかなりの魔法の使い手だろう事はすぐに分かった。しかし、幾ら待ってもロビーから動かない。多分他の試験官達も室長や団長位の者達も彼女が気になっているのだろう。ピリピリとした雰囲気を感じる。



数分後、サウスライドは待つことにも飽きて、その人物に会いに行くことにした。


実際目にすると、まだ幼い少女である。人違いか?とも思ったが確かに少女から発せられる魔力に間違いはない。少女を無理矢理に自身の棟へ連れ帰るとまじまじと観察する。



去年貴族院を卒業したばかりだという少女の推薦書は、彼女がいかに優秀かを書き綴った内容だった。こんな推薦書は希である。そして、得意な属性は?という問いに「攻撃魔法であれば氷、補助であれば風と闇、回復であれば水と光を使用する」と答えた。



氷とは…これまた珍しい。


通常であれば水の派生のため「水属性が得意」となるが、少女は確かに「氷」と言った。

それだけではない。彼女は全属性の魔法を使いこなすと言うことが希であるとよく理解していないようだ。下級魔法であれば全属性の魔法が使える者も少なくは無いが、この推薦書を見ればそんな類いの魔法でないことも良く分かる。極めつけには彼女が常時発動している身体強化魔法が優秀さの証だろう。


問題とばかりに出した黒板をじっと見つめた少女は自身の問いに、「土地に関係する魔物の出現地とその弱点で相図を作成した」と答えた。


「属性の相関図と高位魔物、種族名、薬草や花の名前、木の種類と土地の名前」と答えられれば十分だと思っていた自身の遥上の回答をした瞬間、少女を自分の補佐とすることに決めた。



誰がなんと言おうと、この少女は私が育てる。



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